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ナント市の文化局長ボナン氏を連れて、金沢へ2泊.
![]() 金沢ではコミュニティシネマ支援センターのフォーラムに参加。これが素晴らしいフォーラムで非常に勉強になった。企画者であるエースジャパンの岩崎さんや、シネ・モンドの土肥さんといった方々の、映画に対する情熱と、現状に対する強い危機感が、会議の内容に投影されている。コミュニティ・シネマとは、日本全国にある所謂ミニシアター系の映画館・映画関係者のネットワーク。都市の郊外にショッピングセンターに隣接する形でシネコンが次々と開発され、都市の中心部の映画館がどんどん閉館に追い込まれている。金沢では街の中心部に、ミニシアター系のシネ・モンドと、ポルノ館以外、すべて閉鎖してしまったという。信じられない状況だが、これが現実なのだ。また、タイの若手映画監督アピチャートポンさんともいろいろと話す機会に恵まれた。小野信二似のほんわかな外見とは裏腹に、既存の映像言語を壊す実験的な映像でカンヌでも、東京の誇る映画祭フィルメックスでも、極めて高い評価を受けている監督。「映画はやはり映画館で見てほしい。映画は映画館で見ることで初めて社会的な体験となる」ということを言っていたが、筆者にはやや耳の痛い話。料金は高いし時間はないし、映画館に映画を見に行くことがなかなか出来ない日常・・・というのは、東京で仕事をしている人にはほぼ共通する状況だろう。結局レンタルビデオ・DVDか、アマゾンで注文してみるということになってしまう。 街の賑わいと、映画。そこに、ボナン氏の講演が、またしても日本の文化関係者に勇気を与えることになった。ナントも90年代後半にシネコンが到来し、街の中心部の映画館が存続の危機に瀕した。そこで、市内の映画館関係NPOや美術館、劇場、アートセンター、教育系、社会活動のNPOなど12の団体を集結させ、シネ・ナントというNPOをつくり、彼らに町の中心部の映画館の運営を委託。その契約内容がとてもクレバーで①他の映画館の経営を圧迫しないため、新作は上映しない ②いわゆる作家系の映画を中心に、レトロスペクティヴや国・地域にフォーカスした芸術的な内容を優先 ③必ず映画館以外のほかの文化機関と協働した企画を行い、教育普及プログラムを重視する などを条件とした。 映画は日本でもフランスでも、産業=エンターテイメントのひとつとの認識が強く、文化政策の中で位置づけていくのが難しい分野。特にミニシアター系では、それまでの世代が極めて少ない収入でも「映画が好きだから」がんばってきてしまったため、次の世代が育っていないことも問題。 また金沢では21世紀美術館も再訪。「もうひとつの楽園」展では、極めて興味深い作品2つに出会う。 ① ホワイトキューブの壁を毎日3ヶ月間磨き続け、とうとう壁が人影を映し出すほどツルツルに磨き上げてしまったという、ただそれだけだが驚異的な作品。鑑賞者は白い手袋をはめて、その壁をなでなでしながら鑑賞する。 ② 天井12メートルの高さから水滴が落ち、それがまるで精巧なガラス玉のように回転し回路をたどり円を描き、やがてバケツの中に戻っていくという、やはりただそれだけだけだが驚異的に美しい作品。 ただそれだけだが絶対的に美しい感動的な行為や造詣に出会おうということも、あるようでそんなにない体験なのかも知れない。これだけでも来た甲斐がある。 相変わらず21世紀美術館には地元の若者、子供、おじさん、おばさん、御老人までがたくさん集い、開放的な賑わいに満ちていた。この建築を手がけたSANNAには、今度フランスのランス市に建築されるルーブル美術館別館の設計が依頼された。ちなみにメッツ市にできるポンピドゥーセンターの別館は坂茂。 金沢では言うまでもなく、食道楽を満喫。蟹の解禁日とも重なり、蟹ミソ、白子など日本海の珍味に酔いしれる。これだけでも来た甲斐がある。 ということで、「これだけでも来た甲斐のある」ことが複数重なることが、文化による地域再生には必要不可欠な条件なのではないか。 ① プロジェクトがある:そのとき、そこでしかやっていないプロジェクトがある(フェスティバルや展覧会、フォーラムなど)。 ② 人がいる:それらのプロジェクトを実行する運営母体や組織があり、人が育っていく。 ③ シンボルがある;都市のシンボルとして常時そこにあるハードがあり、常にそのソフトが進化し続けている(美術館、劇場、ホールなど) ④ プラス、何かがある:おいしいご飯、温泉、など ▲
by smacks
| 2005-11-11 22:05
| ■映画・映像系
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