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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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2004年 10月 01日 ( 1 )

ドキュメンタリー「壁」

10月1日

朝からカフェ・ド・ボーブールCafé de Beaubourg でミーティング。パリに来ると必ずここでアーティストや友人と会うことにしている。待ち合わせに便利なだけでなく、誰にも何にも邪魔されず延々と議論できる不思議な魔力のある空間だ。

リュクサンブール公園まで散歩をし、凱旋門へ。イスラエルの女流監督、シモーヌ・ビットンが撮ったドキュメンタリー「Le Mur(壁)」のプレス試写会である。「壁」とはもちろん、あの「壁」のこと、イスラエルが建設を進める分離壁のことである。彼らはそれを「セキュリティ・フェンス」と呼んでいる。モロッコに生まれ、イスラエルとフランスの国籍を持つシモーヌ・ビットンにとって、このドキュメンタリーはまず自分の内的な必要性に迫られた作品だ。2時間にわたる映像の証言は、壁の建設を巡る社会的、政治的、経済的、文化的な背景と現象を多面的に描く。壁建設の工事現場で働く労働者の声、壁を前に遊ぶ子供たちの声。壁を越えて学校や仕事へ向かう人々の声。そしてマイクは壁建設を推進するイスラエル国防省大臣にも向けられる。長時間に渡るインタビューで大臣が気分を損ねて退席するところまでカメラに収まっている。淡々とした映像の証言がここまで多くの事実と人生を語ることに圧倒され続けた2時間だった。とにかく「壁」という現実がすさまじすぎるのだ。
ホールの外で、この作品のプロダクションであるCine Sud の担当者と落ち合い、食事をしながら日本での上映の可能性について話し合う。この作品はまだ日本での配給が決まっていないため、何とかダイレクトで上映にこぎつけたいと思っている。

夜は再びCNDへ。今日も[I am Hamlet] プログラムの一環で、ザビエ・ルロワのProduit de circonstancesを観劇。これは分子生物学者のドクターでもあるザビエ本人が、いかに分子生物学からダンスへと移行していったかその身体的・内的変遷をダンスと言葉で表現するものだ。非常に面白い。次にフランスのグループMichel Schweizer/La comaの作品「King」を観る。最初の30分でもういいよ、という感じだったが、出るに出られず、パフォーマンスは延々と続いた。結局次に予定していた作品に間に合わず、チケットを変更してもらう。また日曜日に来る羽目に。
by smacks | 2004-10-01 14:59 | ■フランス滞在&もろもろ


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