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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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連続セミネール@早稲田 2日目

ジャン・ジュルドゥイユ「演劇・国家・市場 < 間隙 > の詩学/政治学」

凄いタイトルで一瞬ひいたが、基本的にはジャン・ジュルドゥイユの30年の演劇人生を振り返り、本人とともにその軌跡をたどるという試み。
参加者は15名ほど。自他共に認める「フランス初のドラマトゥルク」である。もともとレッシング以降ドイツ演劇には欠かせない職能として発展してきたドラマトゥルクだが、フランス演劇界でこの役割が生まれたのは、1968年、ジュルドゥイユ氏が、演出家ジャン=ピエール・ヴァンサンとの共同作業を始めたときという。ハイナー・ミュラーから絶大な信頼を置かれた翻訳者でもある。「最近やっと日本でもドラマトゥルクという職能について認識され始めたけど、それで食べていける人はほとんどいない」と説明したら、「僕だってフランスでドラマトゥルクを始めたときは、誰もお金を払ってくれなかったさ」という答えが。

いろいろと整理して書きたいことがたくさんあるのだが、今は時間的に無理なので、いずれ何かの機会にまとめたいと思う。

それにしても、この2日間、何よりも感動を新たにしたこと。それは、ヴァロン氏にもジョルドゥイユ氏にも言えることだが、話しがうまい。うますぎる。一瞬のよどみもなく、2~3時間、大振り・小振りの豊かなジェスチャー交えつつ、理路整然と話し倒す、そのこと自体が感動的だった。役者も顔負けのパフォーマンスなのだ、大学教員なのに(だから?)。
by smacks | 2005-09-30 23:24 | ■アートマネジメント関連

連続セミネール@早稲田 1日目

早稲田大学の藤井慎太郎助教授が企画する一連のセミネールに仕事帰りに参加させていただいている。今日はその初日。

エマニュエル・ヴァロン「演劇・国家・市場 文化公共政策を再考する」

エマニュエル・ヴァロン氏といえばフランスでも超有名な仏文化政策研究の第一人者。(どんな怖いおじさんかと思っていたら、とてもソフトで素敵な方で、しかもとても親しい友人の博士論文の指導教官だと知ってかなり身近な存在になった。)参加者は5~6名。フランスの文化政策、とくに舞台芸術分野のシステムが抱える問題点や課題について。アンテルミッタン制度(舞台芸術関係者の失業保険制度)の破綻、劇場のレジデンス・カンパニー制度、国や公的機関による芸術の「質」への介入や評価の問題、などなど。留学時代にいやというほど学んだことだが、今、現場を知ってから聞くとまた全然違うリアリティがあって、議論は尽きない。
by smacks | 2005-09-29 23:18 | ■演劇・ダンス系

横浜トリエンナーレ 初日

最寄のみなとみらい線「元町中華街」駅には、こんなナイスなチケット売り場が登場。
おじいさんものぞいて見ている様子。
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ダニエル・ビュランのインスタレーションは、山下公園のゲートから会場の倉庫まで、全長750メートルに渡り人々を誘導する。(もし台風が来たら・・・全部はずして対策をとるそう)
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場内は広々としていて、とても開放的な雰囲気。

「場にかかわる」(サイトスペシフィック・インターラクション)
「ひとと関わる」(コラボレイティド・ワーク)
「展覧会は運動態である」(ワーク・イン・プログレス)

という3つのテーマに対する強いこだわりが空間やプログラムに投影されている。
何度も訪れることによって、常に違う発見がある展覧会となるだろう。楽しみだ。
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by smacks | 2005-09-28 23:40 | ■美術系

横浜トリエンナーレ、いよいよ開幕

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横浜の大桟橋、というところには初めて行った。これが結構素直に素敵なスポットで驚いた。海と横浜湾岸の夜景を両手に、秋の風も気持ちよく。会場は、まさにコンベンション・ホールそのものなだだっ広い空間なのだが、そこがあっという間に人々で埋め尽くされていた。話では800人の招待客+関係者で軽く1000人は来ていたらしい。参加作家に限らず、多くのアーティストの顔もあり。

今日は関係者の方に頼まれ仏語通訳のボランティア。早速サポーターの受付に行ったところ、「ではあとでダニエル・ビュランの通訳をお願いします」と言われ、こんな当日のみの即席ボランティアに今回の横トリの目玉とも言える著名なアーティストの通訳なんかさせて大丈夫なの?とへんな老婆心ながら逆に心配してしまったが、どうやらFM横浜の10分程度の取材ということで、断るわけにもいかず(だって他に誰もいないし)引き受ける。
ダニエル・ビュラン。といえば、もはや筆者の頭の中では美術の教科書の人物というか、もはやフランスや世界の都市の重要な風景を変えてきた功績は、あまりに大きく。誰でも知っているところだと、パリのパレ・ロワイヤルの中庭。それから。リヨン市役所前のテロー広場。御本人はとっても朗らかであったかい感じの、素敵なムッシュ。インタビューも潮風にふかれながら楽しくできました。FM横浜の方から「なぜあの旗の縞々は、赤と白なの?」という質問に、「意味はない」ときっぱり言っていた。また「観客へのメッセージをお願いします」という問いにも、「基本的にこうして欲しいとかこう観て欲しいというメッセージはない。観客はどう作品と関わろうと自由なのだからね」とも。さすがだ。

まだ展示会場を見ていないのでなんとも言えないけれど、とにかく関係者の方々、会う人会う人皆さんほとんど寝ていないらしいのに(だから?)とても素敵な笑顔で、その突き抜けた感じに感動してしまった。やっぱり現場を持っている、守っている人々の気力、体力、迫力というのは、底知れない。
by smacks | 2005-09-27 23:39 | ■美術系

「ニセS高原から」2日目

今日もせっせとアゴラ劇場へ通う。
この企画をプロデュースし、自らも演出を手がける五反田団の前田司郎のバージョンを観る。
あと1本。日程的になんとかなるかな・・・
それにしても、同じ戯曲でここまで演出家の意図の違い、役者の個性(レベル?)の違いが出るものかと、驚き嬉しい気持ち。
by smacks | 2005-09-25 23:31 | ■演劇・ダンス系

「ニセS高原から」

「ニセS高原から」@駒場アゴラ劇場。平田オリザの戯曲「S高原から」を、4人の演出家が同じ小屋、同じセットで演出するという、途方もなく面白い企画。

今日はポツドールの三浦大輔の演出と、三条会の関美能留(三条会)の演出、2バージョンを立て続けに観る。

2作品を観終えて、こういう企画を待っていたのだ、と強く思った。既に平田オリザ自身によって演出された普遍的テーマを扱う現代戯曲を、若手演出家たちがどう解釈するか。そこに歴然とした解釈の差、方向性の差、手法の差、そしてさらに言ってしまえば、才能の差が見える。
プロデューサーである前田司郎氏が「演劇史の教科書があれば太字で記されるような公演になると思っている」と企画趣旨に記していたが、まったく同感だ。これは勇気ある企画であり、それを敢えて受け入れたことに対し、まずこの4人の演出家たちに拍手を送りたい。

翻って、クラシック音楽や古典を扱う演劇やバレーなどは、同じレパートリーを個々のアーティストが解釈するかが勝負という、ある意味残酷な楽しみ方の上に成り立っている訳で、批評する側も明らかに露呈する技術の差、解釈の差を評価の軸にすえる。だから誤魔化しはきかない。

しかし日本の現代演劇では、往々にして若い演出家は自分の書いたテキストだけを演出する。自分の日常や世界観を自分の言語で演出する作業は、決して悪いことではないが、結局自分の世界の中に終わるケースが少なくない。そういった現状を何とか変えていくには、今回の企画のように、勇気ある大胆な試みが必要なのではないだろうか。そのためには、「S高原から」のように普遍性のある良い戯曲がもっと生まれることも必要だろうし、そういった良質な戯曲に真っ向から勝負する勇気と力量を持った演出家を育て、正しく評価していくプロデューサーや批評家も必要だろう。やることは多い。
by smacks | 2005-09-24 23:00 | ■演劇・ダンス系

ローリー・アンダーソンに酔う

ローリー・アンダーソン「時間の記憶」展@ICCインターコミュニケーション・センター。
展示を見始めて、既に見たことがある企画であることに気がついた。2002年、MACことリヨン現代美術館(Musee d'art Contempraoin de Lyon)で見た企画展だった。MACディレクター、ティエリー・ラスパイユ氏による企画。内容充実の素晴らしい企画展だったので記憶に残っていたが、再び日本で、日本語の解説付きで見られて本当によかった。空間の使い方や作品の展示の仕方がだいぶ違っていたので、全く違う感覚で楽しめた。
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(↑ICCのHPより)78年のハンドフォン・テーブル、85年ドラムダンス、96年つむじ風・・・などなど。理屈抜きでとても好きな作品が再度体験できて、ローリーファンの一人として相当至福のひと時を過ごした。今新しいと言われかねないことが、すべて彼女ら70年代のアーティストの手で、極めてシンプルなテクノロジーとともに行われていたことを、改めて再確認。
10月2日まで。これは見逃してはいけない展覧会のひとつです。

その後、シンポジウム「越境するダンス」@新国立劇場。あの「情報の歴史」の松岡正剛氏がホスト役を務め、日本の舞台芸術の先駆者を迎えるトーク。山海塾の天児牛大、ダンサー木佐貫邦子、パーカッショニスト高田みどり、振付家・勅使川原三郎、デザイナー毛利臣男、能楽師・梅若六郎、という蝶豪華キャスト、しかも3時間30分で1000円という、近代稀に見るお得な企画。
正直この手のシンポジウムってつまらないことが多いのだが、予想以上にアーティストたちが熱弁をふるい、普通のポストトークではあり得ないようなディープかつ抽象的な話が盛り上がった。松岡正剛あっぱれな企画でした。
by smacks | 2005-09-19 23:31 | ■音楽・音響系

この世で一番嫌いなもの

夏から秋への変わり目。この季節、筆者が最も憎んでいるヤツらが、最後のあがきか筆者の生活空間に突如飛び込んでくるというおぞましい事態がここ2-3日に立て続けに起きて、もう生きた心地がしない。

そう、筆者がこの世の中で何より嫌いなもの、それは、昆虫類。

あらゆる昆虫類が、猛烈に嫌い&怖い。生態系に影響がないのなら、すべての虫に地球上から死滅して欲しいくらい、本当に嫌い。あの外見も、羽音も、動きも、何を考えているか全く不明でコミュニケーションの図りようもないところも、すべて嫌い&怖い。

ミクシィで「虫が嫌い、どころか怖い」というコミュニティに入っている。これは、筆者同様虫に生理的な嫌悪感、憎悪感、拒絶反応を持つ人々が、おぞましい恐怖体験について回顧しあい慰めあうという、悲壮感漂うコミュニティ。先日、とうとう自分の身に降りかかった恐怖体験を、もう誰かに聞いてもらわないと辛すぎて、書き込みしてしまったほどだ。

今日も、新鮮な空気をと思って思い切り窓を開けたら半分死にかけたトンボが部屋に入ってきて、もうしばらく部屋に戻れず大変な事態に。理解できない人には理解できないかも知れないが、本当に同じ空間にあんなおぞましい物体が存在すると思うだけで、もう気が狂いそうに不快で不安な気分になってしまうのだ。ちなみに、ヤツらを「駆除」するために近寄ることもできないほど臆病であることも付け加えておきます。
by smacks | 2005-09-18 23:18 | ■その他もろもろ

早大とジャニーズ事務所が提携!?

またYahoo トピックスでトンデモな話題を発見。しかも、極めて身近なところの話。
以下コピペ。

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早大とジャニーズ事務所が提携=プロのアシストで学生が演劇制作

早稲田大学演劇博物館(竹本幹夫館長)は16日、多数の人気アイドルを抱えるジャニーズ事務所と提携し、脚本や演出など制作のすべてを早大生が手掛け、同事務所のタレントが主演する新作舞台を、12月3、4日に同事務所保有の東京グローブ座(東京都新宿区)で上演すると発表した。
演劇博物館によると、現在、学内で作品とスタッフ、キャストを募集中で、早大文学部の教授や同事務所の俳優、岡本健一さん(36)らが審査、10月上旬までに決定する。 
(時事通信) - 9月16日20時1分更新

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これは所謂スターを看板とした商業的な芝居に、仮にも演劇研究でCOEに指定されている(つまり演劇研究で潤沢な助成金がある)早稲田が加担する、ということで、もう、なんというかあきれてものが言えません・・・・ 
by smacks | 2005-09-16 21:21 | ■アートマネジメント関連

サルサな夜

今日から3日間、東京芸術見本市@東京国際フォーラム
舞台芸術関係者にとっては毎年恒例のイベントで、3日間、いろいろなレクチャーやショーケース、ブースプレゼンテーション、などなど関係者に向けた企画が盛りだくさんだ。

そんなTPAMだが、筆者にとってそれはなぜか「メキシコ人と六本木にサルサを踊りに行く」ということをも意味する。メキシコの芸術見本市 Gate Way to the Americaの二人(↓写真)、ここ3年連続でTPAM時に来日するのだが、必ず再会するとほぼ自動的に「今夜は六本木にサルサを踊りにいくわよ!」と連れて行かれることになる。
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プエルトリコ出身のクリスチーナは、まさに中南米出身の美女。彼女が踊るサルサを見ているだけでその迫力の色気に相当酔えてしまうが、そこにコテコテのメキシコ人、ルネの熱い踊りが加わると、周りの玄人サルサー(サルサを踊る人、の意)もかすんで見えるほどの、濃さ。

しかしサルサはいい。ラテンはいい。
ああ、もし生まれかわれるのなら、どこかのラテンの国の、美しい踊り子になりたいものだ。
by smacks | 2005-09-13 22:23 | ■その他もろもろ


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