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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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DANCE x MUSIC×花火 in 浅草

DANCE x MUSIC ! - 振付家と音楽家の新たな試み 
砂連尾理+寺田みさこ×桜井圭介 / 北村成美×巻上公一
@アサヒ・アートスクエア

なんと、隅田川花火大会にばっちり重なった本日の公演、浅草の駅からアサヒビールの会場まで通常なら吾妻橋を通って5分の距離が、今日は電車を降りてから会場に辿り着くまで30分近くもかかってしまった。会場に入るにもパスが必要なほどの大騒動。いったいどこから沸いてきたのかと思うほど、浅草周辺は人間たちによる渋滞状態。それでも開演の1時間30分前のこと。行くだけで消耗し、疲労困憊。(休憩中に花火のフィナーレをアサヒビールの敷地内から堪能できたのが、とてもラッキーだったけれど)
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↑トークの様子。公演もトークも、それぞれのいい味が出ていて、楽しめました。もっとこういう企画があちこちで頻繁に行われて欲しいなあ。
by smacks | 2005-07-30 23:16 | ■演劇・ダンス系

子ども夏まつり2005 in にしすがも創造舎

7月29日
にしすがも創造舎で、NPO法人芸術家と子供たちによる「子ども夏まつり2005」が始まりました。今日はそのオープニングでもあり、子供とつくる舞台シリーズとして、珍しいきのこ舞踊団主宰の伊藤千枝さんが子供たちと作った舞台「おはようからおやすみまで」が披露されました。衣装も、子供たちも、スタッフの皆さんも、キュート!
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五感ミュージアムと題する展覧会「5感でわくわく」やアーティストさとうりささんによる「りさ部」、緑のなかでくつろぎ遊ぶ「グリグリ・カフェ」(↓写真)など内容盛りだくさん。とても夏らしい雰囲気に生まれ変わったにしすがも創造舎、ぜひこの期間(8月7日まで)に遊びにいらしてください!
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by smacks | 2005-07-29 23:42 | ■にしすがも創造舎

観劇も命がけだ

7月28日
Noism Tripll Bill @世田谷パブリック・シアター
舞台というよりは、金森ファンの熱気に参ってしまった・・・ とにかく恐れ多くて何もコメントなんてできません。
それにしても、本番中に結構おおきな地震があり、観客は相当ざわついたのに踊り続けたダンサーたち、偉い。今日は何事もなかったから良いけれど、本当に本番中に大地震が来たら・・・と思うと観劇も命がけですね。携帯電話の電源や写真撮影についての注意のアナウンスに、地震が起きた場合はどう対応すべきかをアナウンスするとか、検討の余地あるかも。ただし対策ができる程度の地震ではない場合が問題なのだろうけれど。
by smacks | 2005-07-28 23:38 | ■演劇・ダンス系

びわ湖フェスティバル:2日目

7月24日
再び「ダヴァン」を観る。昨日にも増して良い。
公演後ロビーで行われたトークでも面白い話が次々と出てきて、4人がいかにこの作品を大切に作り上げてきたか、その丁寧な愛情が伝わってくる内容だった。
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その後シディ・ラルビとダミアン・ジャレと一緒に打合せをして、ともに白井剛のソロを観る。こっちも熱演、集中力がすさまじいし、映像、音響も含めセンスがとても良い。ブラボーな公演だった。
とにかく、びわ湖ホールの素晴らしい企画に感謝感激。8月にも伊藤キム作品の世界初演、また10月には山海塾の伝説の傑作「金柑少年」再演など、国内ではびわ湖でしか見られないものが目白押しだ。びわ湖ホール、あっぱれ~。
by smacks | 2005-07-24 23:15 | ■演劇・ダンス系

びわ湖フェスティバル:1日目

7月23日
エアフラのビジネスクラスの機内食はとっても美味しい。ほろ酔い気分のまま眠りについて、朝食で起こされたらもう北海道上空。。また爆睡してしまっていたらしい。今回はお姫様気分を味わう間もなく、そもそもほとんど寝ていて記憶がない。
結局午前中のうちに自宅に到着。一風呂浴びたところで、明日に予定していたびわ湖ホールへの出張を一日前倒しして滞在を伸ばすことに。何しろ自分、元気すぎて。早速新幹線に乗って、名古屋名物・味噌カツ弁当を食べた直後から爆睡。途中田舎の父親から電話がかかってきて「地震は大丈夫か」といわれたが何のことか分らず。どうやら東京で地震があったのですね。
そしてやってきたびわ湖ホール。サシャ・ヴァルツ&ゲスツ公演「ダヴァン」。「日本におけるドイツ年」の一環で招聘されているし、サシャ・ヴァルツというビックネームが冠のようについているので多くの人がこれはサシャ・ヴァルツの作品だと思っている危険性が高いが、これはバレーC. de la B.に所属する振付家シディ・ラルビ・シェルカウイとダミアン・ジャレ、シャウビューネ劇場のダンス・アンサンブルに所属するファン・クルーズ・ディアス・デ・ガライオ・エスナオラ(長い!)とリュック・ダンベリー、以上4名によるコラボレーションの産物で、芸術的な面でサシャ・ヴァルツは一切関係ない(と彼らは後日トークで言い切っていた。)。ちなみにシャウビューネの二人は99年にTIFが招聘したサシャ・ヴァルツの「宇宙飛行士通り」にも出演しているのです。

特にシディ・ラルビ・シェルカウイはヨーロッパで極めて高い評価を受けている振付家で、その名前が未だ日本で無名に近いのが信じられないと筆者は思う。また29歳だが、既に デビュー作「Rien de Rien」(2000年)で成功して以来、「Foi」(2002年)で地位を不動のものとし、さらに昨年のアヴィニオンでは「Tempus Fugit」 (2004年)を発表・・・今やヨーロッパのダンス界において、この人の存在は重要さを増すばかりだ。
シディ・ラルビ・シェルカウイという名前は、その名のとおり、アラブの名前である。シディの父親はモロッコからの移民でイスラム教徒、母親はベルギー人のキリスト教徒。シディ自身はアラビア語はちょっとしか出来ないと言っていたが、家庭では当然ムスリムの教育を受けたそうだ。舞台上でもアラブやムスリムを意識した細かい演出が挿入されている。
作品は、予想どおり、素晴らしかった。明日ももう一度観ます。
それにしてもアヴィニオンでは、拡散し耳障りな音響、仮設劇場の座り心地の悪いイス、空調のない野外会場で汗だくだったりぶるぶる震えたり・・・という肉体的にもキツいコンディションでの観劇に慣らされていた筆者、こんな立派なホールに座っての観劇、それだけで「おお、凄い」と一人で感動してしまった。
レセプションでもシディ君といろいろお話できて、びわ湖まで来た甲斐がありました。その後なにわのコレオグラファーしげやんと、発条トの皆さんと宴会へ。びわ湖はいいところだ~
↓シディ君の後ろ姿。お、お洒落。
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by smacks | 2005-07-23 23:58 | ■演劇・ダンス系

アヴィニオンを発つ

眠ること1時間半。朝6時にホテルを出て、TGV駅へ。朝焼けがキレイだなあ。そこからパリの空港へ一直線・・・
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・・・爆睡。気がついたらもうシャルル・ドゴール空港でした。出発の3時間前にチェックインしたにも関わらず通路側の席が取れないと言われ唖然。3時間前に来たのにそれはひどいんじゃないの? と軽く、しかし表現力豊かに(?)文句を言っておいたら、その2時間後、場内アナウンスで呼び出され、なんとビジネスクラスにアップグレードしてもらえることに。とにかく文句は言ってみるものですね~
by smacks | 2005-07-22 23:42 | ■アヴィニオン05-06

アヴィニオン6日目

7月21日
今日がアヴィニオン最終日。

■ Une belle enfant blonde ブロンドの美しい少女
by Gisele Vienne ジゼル・ヴィエンヌ
@Chapelle des Penitents blancs ペニタン・ブラン教会 15:30~

1776年生まれだからまだ20代後半のフランス人女性アーティスト。大学で哲学を専攻後、フランス国立高等マリオネット学校卒、という学歴が示すとおり人形使いでもある。客入れ時より舞台には10体ほどの美しい少女たち(いずれも上品で清楚な服装をした、初潮を迎える直前くらいの年齢に見える)人形が置かれており、不気味かつエロティック。そんな舞台に静内に登場する謎の人物たち―薄ピンクの衣装を脱ぎ捨てて全裸で踊り始める北欧系の若い女性、(一歩間違うと日本のお耽美系少女マンガに出てきそうな?)長身長髪美形で首に鎖のあとのついた謎の美青年、彼ら二人に命令を下し自らの性的過去を赤裸々に語り始める熟年の女主人(テキストはデニス・クーパーとカソリーヌ・ロブ=グリエ(あのアラン・ロブ=グリエの奥様?))・・・かなり紙一重の欲望とファンタスムの世界。人形たちはその禁断の現場に沈黙のまま居合わせるだけだ。マリオネットは通常操られることで生命を吹き込まれ舞台上に存在し始めるものだが、ジゼル・ヴィエンヌの舞台では、人形はそこに居るだけで、恐ろしいほどの存在感をかもし出し、また動く(動かされる)必然性が一切ない。
こんな舞台は初めて見た。社会性などは一切ないが、個人(しかし同時に多くの人々の)の倒錯のファンタスムをここまで鮮烈に舞台に上げ問いかけるという同い年の女性アーティストの作業に不思議とひきつけられてしまった。テキストや演出などケチをつけようと思えばいくらでもつけられるが、なにかとても大きなポテンシャルというか異常な何かを感じる舞台だった。
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(c)Philippe Munda

出口で、早稲田の藤井さんと、フランス人演出家の友人ジャン=リュックと感想を述べ合っていたところ、フランスのテレビ局のクルーが寄ってきて、一人ひとりインタビューされる状態に。藤井さんは結構肯定的かつ分析的な意見を述べられた後で、ジャン=リュック君は「最悪だ。ひどい。よいところがない。」とバッサリ。筆者は、今回のフェスティバル全体の傾向として、こういうアーティスト個人の閉ざされた内的世界、イマジネーションの世界(ときに倒錯、ときに残酷、ときにグロテスク、ときに耽美、ときにエロい、などなど、嗜好が大きく分かれることは必死)が舞台上で延々と表現されるとき、観客はその世界とどう向き合うか、好きと受け入れるか、嫌いと拒絶するかを試されているような、そんな舞台が多く、このジゼル・ヴィエンヌの舞台もその好例だと思う、と言った。(と同時に、「私はこんな倒錯の世界が好きです」なんて大手振って喜ぶ奴が目の前にいたらいやだが)。テレビクルーも、こういった「好き」「嫌い」という二極分化の反応をキャッチするために出口で待ち受けていたのだろう。アーティストの提出する極めて個人的でオリジナルな世界観と、そこから提起される大きなテーマ性(「死」、「愛」、「美」、といった西洋形而上学的な大テーマに通じる)を、どのように批評家は切っていくのか、今後でる劇評が極めて楽しみな舞台であったことは間違いない。


■Frere et Soeur 兄妹
by Mathilde Monnier マチルド・モニエ 
@ Cour D'honneur du Palais des Paptes 教皇庁特設会場 (↓)
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マチルド・モニエは94年よりモンペリエの国立振付センターの芸術監督を務めている、ヌーベルダンス以降の中堅振付家といった位置づけだろうか。この新作に対するフランス・ヨーロッパのダンス界の期待は、異様なものがあった。コ・プロデュースを組んでいる機関だけを見ても、アヴィニオン演劇祭、モンペリエ・ダンス、フェスティバル・ドートンヌベルリン・タンツオーガスト、などなど早々たるフェスティバルが名を連ねているのだ。つまり、この新作には、フランスやドイツの公共のお金がふんだんに投資されていることになる。
そしてその期待をものの見事に裏切ったのが、今日の舞台だった。アヴィニオン演劇祭で最も栄誉ある舞台、教皇庁の中庭特設会場でこんなものを観るとは! 何がどうひどいかというと、振付になっていない、演出になっていない、コメントのしようがないほど作品として何も提示されていない。Frere et Soeur 、つまり兄弟・姉妹というタイトルなのだが、構成力も表現力も足りないので、そこで表現しようとしているストーリー、暴力性、愛情などもすべてがみみっちい。
一緒に観劇していた香港―パリで活動する演出家ジャン=リュックは、ほんとうに舞台に向かって大声で「金返せ~」と叫んでいました。それでも熱狂的に拍手をする観客もいたりして「マジ?」と思ってしまうのですが、当然次の日の新聞各社の劇評は、過激なまでの酷評っぷりで、安心安心。これを褒めてしまったら、フランス・ダンスにはマジで未来はないでしょう。
しかしこれからこの作品をパリやベルリンで回していく人々が背負う精神的・金銭的な負担を考えたとき、同業者としてはとても心が痛いのも事実だ。アヴィニオンで観た新作の多くが、かなり派手にコケてしまっている事実を前に、新作を作ることの恐ろしさを再確認せずにはいられない。それでも新作を作っているのだから偉いという説もあるが・・・しかし実際にフランスのダンス界で起こっていることは、全国に20つほどある国立ダンスセンターや国立振付センターの芸術監督として就任している振付家たちに課される新作創作の義務(通常毎年1本)化である。彼らはハコをもち、スタジオやオフィスを持ち、多くはフリーランス時代から自分をサポートしてくれるマネージメント・スタッフを雇用し、またダンサーたちを常時雇用あるいは短期雇用し、国や自治体からの予算をもらい、作品は国内や海外でぐるぐるとツアーを組まれ・・・そこまで(日本の振付家からすると夢のような)条件が整ったとき、アーティストはもはや創り続けることをやめられない状況におかれてしまう。贅沢な話ではあるが、肥料を与えすぎて根が腐ってしまう樹木のような状態にあることは、指摘されて久しい。

■Last Landscape ラスト・ランドスケープ
by Josef Nadj ジョゼフ・ナジ
@Chapelle du Lycee Saint-Joseph 聖ジョゼフ高校 シャペル

24時開演。既に眠い。舞台も全体的に静かで、暗い。基本的にいつものナジ路線そのままというか、ナジお得意の不思議ワールドが展開されていて、裏切らず。本人のソロ観れたのは何とも至福。生演奏もかっこよかったし。「無国籍風熟年オヤジ」(失礼!)の魅力満載でした。来年のアヴィニオン演劇祭のアソシエート・アーティストであるナジ。来年が楽しみだ。が、それにしても眠すぎる。ほとんど半分眠った状態でブラジルのリオデジャネイロのフェスティバル・ディレクターの方と最後のミーティングをこなし、フェスティバル・バーへ行ったのが朝2時近く。この時間帯が一番混雑しているので、ビールも買えず・・・眠すぎるため3時でギブアップ。とりあえずタクシーを駅前から拾って、ひとりホテルに戻って荷造りをした。
by smacks | 2005-07-21 23:47 | ■アヴィニオン05-06

アヴィニオン5日目

7月20日
今朝こそゆっくりと休もうと心に決めてホテルでゆっくりと朝食を取っていたら、携帯に電話が・・・うわあ午前中に予定していた打合せを思いっきり忘れていた!! ため、即効タクシーで市内へ。朝からまた走って体力を消耗してしまった・・

■ For Interieur フォー・インテリア
by Jan Fabreヤン・ファーブル
@Masion Jean Vilar ジャン・ビラール館
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このロケーション、この青空だけでもういいというほど素晴らしい場所。空間が良く生かされている展示はおなじみジェローム・サンスによるキュレーション。ファーブル君の本業(といったら失礼かもしれないが)の美術作品も一堂に介し、とても見ごたえのある展示だった。ところであるベルギーの振付家から、ヤン・ファーブルはとてつもないお金持ちで、アントワープのお城に住んでいるという話を聞いたことがある。どんなものが置いてあるのだろう、怖いけど覗いてみたい。甲冑とか?いやただの虫とか? 

■L’empereur de la perte 敗北の皇帝
by Jan Fabre ヤン・ファーブル
@ Theatre Municipal 市立劇場
これが最悪の作品だった。脚本家、演出家としてのファーブルはもしかして最低なのかも知れないと本気で考えながら、1時間30分でギブアップ。一人芝居で役者はなかなかの演技だったため救われたが、そうでなければ最低最悪の作品だという劇評すら後日発見してしまった。なんということだ。金返せ状態。
筆者は昨年の春、パリ市立劇場のアベスで極めて素晴らしいファーブル振付作品を観たことがある。女性ダンサーのソロで、最初はややわざとらしい演出にじらされながらも、やがて舞台上から吊り下げられたオリーブオイルの瓶の蓋が開けられ、全裸になったダンサーがそのオイルの中を這いすべりながら激しく踊るという官能的で絶妙のセンスが光る舞台だった。あまりの傑作っぷりに、もう一度観たいとの思いを募らせていたところ、なんと2005-2006年のパリ市立劇場で再演が決まった。プログラムには赤字で「傑作の再演」と記されている。
とゆう傑作もあれば、新聞でけちょんけちょんに酷評される駄作も作ってくれるファーブル君。もしかして文章を書かないほうがいいのでは。。。いずれにしても、「ヤン・ファーブル・カンパニー」などは創設しないに越したことはないだろう。

■soit le puits etait profond, soit ils tombaient tres lentement, car ils eurent le temps de regarder tout autour.
Christian Rizzo クリスチャン・リゾー / Association Fragile アソシアシオン・フラジル
@Cloitre des carmes カルム修道院 

筆者のツボにがつーんとはまる、ダンスの極北とでも呼ぶべき舞台でした。ダンサーはもはや踊らない。しかしそれでいいのだ。耳障りと紙一重のドラム演奏が延々と夜空にこだまし、その騒音だけで立ち去る高齢者の観客多数。もともとロッカー&美術家&デザイナーでもあるクリスチャン・リゾーの考案した舞台装置はむちゃむちゃかっこよい! その空間の「穴」にはまるダンサーの身体や、ライト。ラディカルにいけている舞台に大満足。全く万人ウケはしないだろうけれど、筆者は「こういう作品が観たかった」のだ。

とても良い気分のまま、フェスティバル関係者の集うフェスティバル・バーへ。入場した頃には既に12時を回っていて公演を終えたパフォーマーや技術者が宴会モード。リセの体育館を使ったクラブでは、絶対どこかのカンパニーのプロのダンサーと思しき(あっち系の?)お兄さんたちがガンガン踊ってくれるので、それだけで陶酔。結局おひらきの朝3時まで踊り遊んでしまった。↓は、聖ジョゼフ高校の中庭を飾るしょんべん小僧くん(達)。
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by smacks | 2005-07-20 23:00 | ■アヴィニオン05-06

アヴィニオン4日目

7月19日
もともと日本で平均4時間ほどずれた生活を送っている筆者、ヨーロッパに来るといい感じで早寝早起きの人間になる。今日もばっちり7時に目が覚めてしまう。しかし、毎晩遅いので睡眠時間はどんどん減るばかり。毎日35度を超える暑さと日差しでちょっと疲労気味・・・なのですが、午前中からベルギーの関係者と打合せなど入り、全く忙しい。関係者の人々も午後からはパフォーマンスを見るため、午前中に鬼のようにミーティングを入れているのだ。。みんなたくましいなあ。。で、昼12時より観劇開始。

■Crescita XIII Avignon
By Romeo Castellucci ロメオ・カステルッチ / Societas Raffaello Sanzio
昨日と同じバス停から出発。バスに乗り込む際に名前とチケットをチェックされるので、ここからが公演の一環。そもそも会場名は明かされず。それで辿り着いた場所が、こちら。郊外の工場である。
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観客はバスに乗り込んだ30名ほど。しばらく炎天下で待たされた後、工場内に入る。工場で作業をする3名の労働者。何かを作っている。地べたに座りながらその様子を見入ること10分。作業は休み時間に入り、労働者の一人が昼食を食べる様子を見る。それから同じ工場内の別のスペースに案内され、高さ3メートル、2メートル四方くらいの白いボックスの前へ。このボックスの中に十字架にかけられた全身真っ黒のパフォーマーがいて、もう一人のパフォーマーが黒いペンキをぶちまける。しばし沈黙。それからまた先ほどの作業場へ。先ほど昼食をとっていた労働者がパトロンのいるガラス張りの2階の小部屋でなにやら2人の黒く妖しい衣装に身を包んだ女性と話し合っているのが見える。そして、話し合いが決裂したような瞬間、轟音とともに工場が揺れ始めた! 
・・・沈黙。これでパフォーマンスはおしまい。観客は再びバスに揺られて市内へ戻っていく。その瞬間はよく理解できないことが多く普段と違う情報をうまく処理できず戸惑ったが、後から振り返るとあまりのことでやけに印象に残っている作品。ロメオ・カステルッチ恐るべし。

■ERASE-E (X) 1, 2, 3
By Joji Inc.
@Jardin de la Vierge du Lycee Saint-Joseph 聖ジョゼフ高校 聖母庭園
もとローザスのダンサー、Johanne Saumier とセノグラファーのJim Clayburghによるユニット。早稲田の藤井さんに勧められて急遽観劇予定に入れてみた。これがとても良かった。ケースマイケルの振付を「消す」=「解体する」のがテーマ。ゴダールの「軽蔑」の一部をサウンドに引用し、ゴダールがブリジット・バルドーを通して描いた「気まぐれで、高貴で、ミステリアスな女性」像が、ケースマイケルの振付とともに、解体していく。これがとても絶妙で、ひざを打ってしまうほどの出来。恐るべしJoji Inc. 早速HPをチェック中。
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■Needlab
By Jean Lauwers / Need Company ニードカンパニー
@ Cloitre des celestins セレスタン修道院 
Needlab と銘打った、制作過程のものを見せちゃうソワレ。とりあえず、このノリにはついていけないとだけ言っておこう。今の30代以下の人にはきついんじゃないかな、このノリ・・・。2002年の日本公演を観ていないので何とも言えませんが。

とにかく朝から動きっぱなしで体力も限界に。アヴィニオンは体力勝負。気がつくと今日の公演はすべて野外だったし。仮設劇場の極めて狭く硬い座席、空調なしで3本は、かなり頑丈な筆者でも相当疲れた。
by smacks | 2005-07-19 23:45 | ■アヴィニオン05-06

アヴィニオン3日目

7月18日
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■<ヴィデオ・インスタレーション>
by Marina Abramovic マリーナ・アブラモヴィッチ
@Chapelle Saint Charles サン・シャルル教会(↑)

アブラモヴィッチのヴィデオ・インスタレーションを観る。今回のアヴィニオンではアブラモヴィッチのパフォーマンスもプログラムされていたが、日程的に観ることあたわず。残念だ。ヴィデオは75年~98年に制作されたものなので、回顧展などで見たことがあるものも結構あったが、玉葱を皮ごとバリバリ食べ涙を流す美女マリーナ・アブラモヴィッチの様子に目が離せず。

■L’insulte faite au paysage 風景への冒涜
by Jean-Michel Bruyere / LFK ジャン・ミシェル・ブルイエール / JFK
@Eglise des Celestins セレスタン教会

ジャン=ミシェル・ブルイエール。日本では知られているかどうか分らないが、フランスのアート界では極めて特殊な位置と評価を得ているアーティスト。(本人に会ったが、素敵なミドル・エイジの不良オヤジといった感じでした)3度目となるアヴィニオンでは、セレスタン教会の空間を使ったサイトスペシフィック展覧会×パフォーマンスとでも呼べばよいだろうか、公演時間は14時~18時、入場料は16ユーロ、展覧会としては高いが、公演としては安い、実際観客は4時間のパフォーマンスに立ち会ってもよいし、5分で出てきてもよい、というお得なのか大損なのかよく分らない形式のショーイングである。
ジャン=ミシェル・ブルイエールがセネガルで育てた若いパフォーマーたちが、まるで人形のようにじっとたたずんだまま、暗い教会の空間に浮かび上がる。オプレッシヴな音響や犬の鳴き声、アフリカの風景、若い黒人たちの争い、ウサギやウナギといった動物の剥製、教会の地中(墓穴)に横たわってこちらを見つめる女性のパフォーマー。かなり異色。
ちなみに今年のアヴィニオンで見られるはずだったもう一つの作品Si Pteris Narrare, Licet というドーム型の巨大インスタレーションは、消防がらみの問題でキャンセルとなったそうだ。映像で見る限り凄い作品なので、絶対観たかったのだが。これも残念。

昨日道端でばったり会った青年団の制作、松尾さんとその未来の奥様(!)、早稲田大学の演劇・映像専修の藤井さんと、弘前劇場の長谷川さん、という日本の演劇界のこゆい人々と、マグレブ(北アフリカ)料理を食べに。鶏肉のタジーンをたいらげた後で、3口食べるとお腹が一杯になってしまう超小食の長谷川さんが残した子羊串焼きのクスクスを奪って食べ、超満腹&満足。

■ PUUR ピュア
by Wim Vandekeybus / ヴィム・ヴァンデケイビュス
@Carriere de Boulbon ブルボン石切場
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アヴィニオン駅前からバスに揺られること20分。Carriere de Boulbon ブルボン石切場。演劇史の先生である藤井さんの解説で、ここがピーター・ブルックの「マハーバーラタ」の伝説的公演会場であったことを知る。まわりは、見渡す限りプロヴァンスの野山が広がり、周囲、何もなし。遭難したら大変です。こんなところでも500人を迎える立派な劇場が出来るのだ。ちょっと感激。美味しいカフェも2杯飲んで、いざ観劇。
ヴァンデケイビュスの新作「ピュア」。世界初演は先日5月末のシンガポール、そしてMODAFEのソウルへ回り、東京には寄らずヨーロッパにやってきた作品。ヴィムさんちの超踊れるダンサーたちは次々と観客がひやひやするような荒業をやってのけ、生まれたばかりの赤ん坊や幼い子供たちをテーマにした映像は時に残酷、時に新鮮、懲りすぎた細部の雑多な要素がうまく絡み合わず、何を言いたいのか見えない、典型的な失敗作。それが2時間続くのはやや辛かった。決めるところだけ決めようとして「小手先」感が出てしまうなんて、こういう中堅以上の振付家にはなかなか許されないことでは? 事実、既にこの作品についての劇評を読んでいた藤井さんには、「やはり駄目だったか」と失笑されてました。でも、石切場からみるプロヴァンスの夜空は最高だったので、まあいいか。
by smacks | 2005-07-18 23:25 | ■アヴィニオン05-06


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