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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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西巣鴨で学ランをオーダーメイド?

そして東京に戻ってきました。西巣鴨の校庭は雨でどろどろどろどろ。ですが体育館ではシアターコクーンの「キレイ」の稽古が始まり、ANJ事務所はすっかり模様替え。ちょっとづつ進化を遂げています。

そんなにしすがも創造舎に、フランスのプロデューサー、リシャール・カステリ氏をお迎えしました。知る人ぞ知る、超有名プロデューサです。お仕事の内容はこちら。Epidemicというプロデュース会社で世界の超大物アーティスト(ダムタイプ、勅使河原三郎、ロベール・ルパージュ、ラララ・ヒューマンステップス、アール・ゾイドなどなど)のプロデュースを手がける一方、Lille 2004 のようなと都市主導型の大規模事業のアート顧問(=プログラマー)、またMasion des Arts de Creteil クルテイユ芸術会館)で毎年3月に行われる有名フェスティバルExitのプログラミングもなさっています。相変わらず学ランをお召しでした。西巣鴨なんてよく一人で来れたなあと思ったら、「僕の衣装はいつも西巣鴨の学ラン専門店で作ってもらっているんだ」とのこと。西巣鴨で学ランを作らせる大物プロデューサー、意味もなく感慨深いものがありました。
by smacks | 2005-05-30 23:38 | ■にしすがも創造舎

OUIか、NONか―ヨーロッパ憲法条約の行方

5月28日
気がつけば明日は日本に帰国する日。これだけ時間があると思っても、結局毎回やりのこしたことだらけであることに気がつく。
朝、在レバノンのジャーナリスト、ピエール・アビザーブに会う。実は彼のパリのアパート(奥様が住んでいる)と私の滞在先が徒歩2分という超ご近所にあり、諸々の資料(アラブ菓子を含む)を手渡し情報交換。この、日本人にはあまりにボリューム感のあるアラブのお菓子、日本では(とくにANJ内では)あまり好評ではなかったのだが、空気の乾燥した場所で食べると、とっても美味しいのですよ。早速カフェで広げて半分以上食べてしまった。。。
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今回この時期にパリにきた目的は、ヨーロッパ憲法の是非を問う国民投票するためなそうだ。そう、明日はとうとう投票日。このフランスを真っ二つに引き裂いたヨーロッパ憲法の批准なるか否や、最後の最後まで論争がやむことはない。非常に興味深いのは、筆者の身近にいる芸術関係者たちの間でも、OUIとNONが真っ二つに分かれていることだ。ピエールやニコラ・フリーズはNONのために記事を書いたり講演会に参加したりと、極めてアクティヴな政治的活動を展開。さすがアンガジュマンの国フランス。また、ボナンさんを含むナント市の文化関係者や筆者の大学時代の友人たちの多くはOUIを主張し、こちらも負けずと熱い。果たしてこの憲法の批准によって「強いヨーロッパ」の実現なるか。これまでフランス社会の中で完結していた社会保障制度などがどう変化していくのか。・・・・どの人に聞いても30分くらい話し出すと止まらなくなる。さすがフランス革命の国民。
それから大学時代の友人たちに会ってまた散々議論は続いた。どっちに転んでも大変だなあこりゃあ。。
夜、バスティーユ劇場でアッバス・キアロスタミのビデオ・パフォーマンスLooking at Ta'ziye を観る。 Ta'ziye というイランの伝統演劇の一部始終を流す小さなプロジェクションの横に、大きなスクリーンが2枚。観劇中の観客の表情を淡々と映し出すという作品だ。左のスクリーンは女性、右のスクリーンは男性と分けられており、一瞬シリン・ネシャットの作品かと思ってしまった。芝居の内容はすべてペルシャ語なので何がどう展開しているのか、我々にはわからない。しかしスクリーンに映し出される人々の表情で、この宗教劇とイランの人々の精神世界に引き込まれている、という仕掛け。なのだが。誰しもがキアロスタミの映画のインパクトや芸術性を念頭において観るので、どうも欲求不満状態に陥ってしまう。キアロスタミの映画世界に心酔してやまない筆者にも、このビデオ・パフォーマンスなるものは、ハテナ?という感じでした。
by smacks | 2005-05-28 23:50 | ■フランス滞在&もろもろ

コンテンぽっちゃりーダンス?

5月27日
暑い! 強烈な初夏の日差しと、午後から夕方にかけてぐんぐんあがる気温(なにしろ22時過ぎまで明るい)で、もはやパリはすっかり真夏。公演では水着姿で日光浴をする人々が溢れかえる。
朝から何人かの振付家やアーティストとのミーティングをこなし、その度にカフェでコーラやビールを飲み続け・・・みずっぱら。しかしなぜ日本以外の国で飲むビールはきんきんに冷えていないのだろう?? 暑い日に冷えてないビールを飲むほどフラストレーションがたまることはない。
夜、ランコントルに戻り、国立モントルイユ演劇センターでイラン人でノルウェーを拠点に活動する若手振付家Hooman Sharifi のパフォーマンスを見に行く。座席に着くと既に舞台上に、太めというよりは単なるデブ(失礼!)で髭面の男性がうろうろしているので、技術屋さんがテクニカルチェックでもしているのだろうかと思っていたら、突然音楽に合わせて踊り始めた。おおお、ここにも「コンテンぽっちゃりーダンス」の旗手が! (「コンテンぽっちゃりーダンス」とは、あの井出茂太さんが提唱した、「コンテンポラリーダンス」に対抗する「ぷっちゃり系」ダンサーによるダンスのこと。)ぽっちゃりというよりはほんとに肉と体毛の塊が動いているという強烈なインパクトがある。スクリーンに投射されるペルシャ絨毯の模様、大音量のペルシャ音楽、突然客席が蛍光灯の光の下に明るくなったり、たった一人のダンサーであり振付家であるSharifi本人が音楽のオペレートを舞台上でしたりと、何から何までとても思わせぶりなのだが、そこに一貫性した主張が見出せず、観客はいらだつばかり。突然音楽を自ら止めて「メルシ」といってパフォーマンスが終わっても、拍手は冷たかった。。。折角いろいろマニフェストしたい内容を持っているのだから、それを自己満足に終わらせずに作品として作り上げて欲しいものだ。がんばれコンテンぽっちゃりーダンス。
by smacks | 2005-05-27 23:41 | ■フランス滞在&もろもろ

突然真夏のパリで

5月26日
パリ上空。ポンピドゥーより広場を見下ろす。
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パリは昨日から突然真夏になった。人々はコートを脱ぎ捨て突然ノースリーブに! 春夏秋冬ではなくて、冬(9月後半―5月上旬)と夏(5月下旬―9月上旬)しかないのがフランスの気候かも。昨日までぶるぶる震えていたのがウソのよう。
リヨン時代からの友人で演劇・アートマネジメントの博士論文を書き終えたばかりのアンと昼食をともにする。博士論文を書き、ストゥナンスという面接試験にパスすれば博士号がもらえるのがフランス。日本のように博士課程中退ではあまりステイタスにはならない。彼女の場合は博士論文を書き終える前に既にパリのナンテール大学での教職が見つかっているので、27歳で既に大学で教鞭をとっていることになる。
夜、ジャン・ヌーベルの建築でもおなじみのカルティエ財団現代美術センターに、ラビア・ムルエの「Looking for a Missing Employee(消えた公務員を探して)」を観に赴く。この作品、ソウルで2度も見たのですが、フレンチ・バージョンはそれなりに気になるものなのです。カルティエ財団の地下では今、川内倫子の個展をやっていて、その奥のスペースが公演会場として使われた。カルティエ財団が毎週木曜日に実施しているシリーズSoiree Nomadeの一環である。客席数はMAX80席くらいだろうか。公演はソウル同様英語で行われたが通訳なし、でもラビア君の英語はフランス人にも分りやすく、また時折織り交ざるフランス語も笑いを誘い、脱力感と芸術性の高さがいつもにまして光るパフォーマンスだった。
by smacks | 2005-05-26 23:36 | ■フランス滞在&もろもろ

ランコントル05

5月25日
日本のダンス界でも有名な若手振付家の登竜門「バニョレ振付コンクール」が、数年前から「セーヌ・サン=ドニ国際振付ランコントル」(通称「ランコントル」)となったのは数年前のことだったか。今年のランコントルもパリ郊外にあるバニョレ市やモントルイユ市など6つの会場で5月13日から6月5日まで行われている。パリに来て以来、なかなかタイミングを逃して行けなかったのだが、今日やっと公演に駆けつけることができた。Emmanuelle Vo-Dinh の「White Light 」というランコントル用の新作である。彼女もフランスの若手の中では注目株の一人で今年のパリ市立劇場のプログラムにも登場した。今日の会場であるバニョレ市内のLe Colombierは単なる倉庫、いやガレージを改装したような小さなパフォーマンス・スペースなのだが、その無機質な空間を生かした蛍光灯による照明が極めて美しい舞台美術。3人の女性ダンサーがひたすら数歩進んでは後ずさり、舞台中央にひきつけられては拡散していく、という動きの果てしない差異と反復。この、ダンスの極北とも言うべきストイックな舞台では、陳腐なストーリーや葛藤といった意味性が剥ぎ取られ、それなのに「だからなんなのよ?」とは観客に言わせない構築されたものが伝わってきて、筆者には楽しめるものだった。
by smacks | 2005-05-25 23:11 | ■フランス滞在&もろもろ

パリの普通の一日

5月24日(火)
パリにいても、ウィークデイの日中は基本的にずっとパソコンに向かっている生活は東京と変わらない。そうすると一日はあっという間に過ぎてしまう。もっといろいろみたい、行きたいと思う反面、メールは普段どうりにさばかなければならないし、もろもろの仕事もあり、気がつくと美術館やギャラリーは閉まっている時間になる。というわけで、パリにいても特別なことはあまり起こらないのだが、パリと東京の決定的な違いは、やはりパリでは本当に気軽にあらゆる公演に行けるということ。チケットを確保するのが極めて困難な劇場やフェスティバルの特別な公演を除けば、チケットは当日会場でも手に入るし、なんといっても公演開始時間が20時30分、ないし21時なので、仕事が終わり、自宅に戻って軽くご飯を食べてからでも充分に間に合うのだ。それに20ユーロ以上(2700円程度)払うことなんてまずないし。
今夜はフランソワ・ヴェレの新作「Contrecoup」をパリ市立劇場へ観にいく。フォークナーの小説の抜粋をテキストに使用し、ほぼパフォーマンスの間中、その朗読が行われるという舞踊劇の形。ううう、テキストがやたら文学的でついてゆけず、脱落。舞台に構築された巨大なリングの上を走り回るダンサーたち、落ちたら大怪我だよなと皆がひやひやしながら、アクロバティックかつ文学的世界に、いまいち陶酔しきれず。黒人ダンサーのラストシーンは鳥肌ものに美しかったけれど。どうも沸き立つような感慨がないというか、この世界を共有仕切れない、何か阻害物があるのだ。主観的な感想ばかりで申し訳ないけれど。
公演後のレセプション会場、劇場地下にあるのだが、その壁にこれまでこの劇場で作品を発表・制作したアーティストたちの名前が刻まれている。先日ベルギーで観たばかりのPadmini Chutter やRodrigo Garcia などの名前も一番端っこに刻まれていました。
by smacks | 2005-05-24 23:07 | ■フランス滞在&もろもろ

はずれの日曜日

5月22日
ポンピドゥーで企画展を観る。今までポンピドゥーで観た展示の中で一番色気がなく、興味も持てず。つくづく建築の展示は難しいと思った。
そしてパフォーマンスを観る。クンステンやポンピドゥーの共同製作なので絶対はずさないだろうと思って足を運んだのだが、これがまた筆者には耐え難い種類のパフォーマンスだった。なんというか、古い、ダサい、観ていられない。よほどのことがない限り舞台は最後まで見る主義なのだが、こればかりは1時間30分を超えた時点で我慢の限界。んもー、ポンピドゥーのパフォーミング・アーツのプログラマー大丈夫? 今日はなにかとはずしてばかりの日曜日だった。まあ会員割引で6ユーロだから許すけど。
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by smacks | 2005-05-22 23:05 | ■フランス滞在&もろもろ

ナント見聞録 その2

5月21日
朝早くからボナンさんに連れられ、AS (Actualite de la scenographie )という会社を経営するMichel Gladyrewsky氏のオフィスへお邪魔する。ASは舞台技術の専門誌でフランスの90パーセントの劇場施設が定期購読するほどの普及率。また舞台技術者間の情報ネットワーク確立や技術向上にも大貢献しているようだ。6月には舞台技術の大展示会をパリのビレットで開催予定。特に最近の仕事としては、都市計画の中で、個々の歴史的建造物やシンボル的建築物にどのような一貫性あるライティングを施すか、その先駆け的事例を集めたカタログを出版したり、フェスティバルや劇場のチケッティング・システムに関する一大ノウハウ本を出版したりと、誰も目をつけていなかったスペクタクル周辺分野の専門書を数多く出版している。極めて有益な情報満載。
それからLe Lieu Unique に戻り、ディレクターであるJean Blaise 氏御自らにLieu Unique を案内して頂く。
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メインホールであるところは、可動式の客席500席を備え、様々な形態の客席作りに対応。天井や壁にはアフリカのマリの布や木材を素材として使用しているが、もともとすべて廃材だそうだ。この洗練されていなさが、妙にカッコいいのはやはり建築家と場所の魂なのだろうか。日本のク・ナウカもここで公演したそうだ。
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↑は例のカフェ&バースペース。この横に昨日の超美味レストランがあります。
建物の上層部には、巨大なオフィススペースと、なんと保育所が! 保育所部分は別のNPOが管理運営しているそうですが、さっすがナント。アートセンターと保育所の融合まで先駆けているとは。ああ西巣鴨でも保育所をぜひやりたいなあ。
オフィスもかなり「ありもので頑張ってます感」は強く、親近感大。しかし「ありもの」を料理できるアーティストが介在しているのは確かで、とにかく手作りながら明確なアートの意思が伝わってくるのだ。行政側がハコを無償で提供するだけではなく、オペレーションに必要な長期的ビジョンと予算をくれなければ、こんなプロジェクトは実現しない。あとは愛だなあ、、、行政側であるボナンさんと、アート執行側のジャン・ブレーズ氏の間の信頼関係は強く、深い。
ジャン・ブレーズ氏は、パリでもおなじみとなったニュイ・ブランシュ(10月2日のブログ参照)の基本コンセプトを作り上げた凄腕のアートプロデューサーでもある。もともとナント市で行われていたLes Allumees レ・ザリュメというプロジェクトが原型となっており、その創設者がジャン・ブレーズである。2005年のニュイ・ブランシュは彼が唯一のアートディレクターになることが決定している。また、ブレーズ氏から直接プレゼンしてもらったのが、ロワール川の河口部(ナント市からサン・ナゼール市にかけての河川地帯)に複数のアートプロジェクトをインストールする一大プロジェクト Estuaire(その名も「河口」)プロジェクト。2007年6月15日~9月16日まで、河口全長40キロにわたって10個の巨大インスタレーション/アートプロジェクトが展開される。ジャン・ミシェル・ブルイヤール、ダニエル・ビュレンヌ、川俣正など、超有名アーティストのプロジェクトが既に動き出している。ボナンさんによると、2007年から少なくとも3回は継続することが既に決定しているという。2年前のプロジェクトがここまで形になっていること自体が驚異的だが、こういった、革新的なプロジェクトを次から次へと立ち上げて実現させる、その機動力と尽きない創造性はいったいどこからくるのだろうか。美術館や劇場という枠、あるいは単発のフェスティバルやビエンナーレという既存のアートの枠組みを飛び出し、そのとき、その場所で、そのコンテクストに必要なプロジェクトが立ち上げていく。そんな魔法のようなことが実現できるナントという都市の力、そして都市と強い信頼関係で結ばれたアートのメディエーターたちの驚異的な実行力。
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感激覚めやらぬまま、市役所へ。来日していた市の議員さんや職員らと再会。ロワイヤル・ド・リュックスのレセプション。(あの腰痛のため来日キャンセルとなった)市長はじめ皆中庭でスルタン(インドの王様)を待つこと1時間近く。日本だったら市長を1時間も外で待たせるなんでタブーなんだろうが、ナントではぜんぜんへっちゃらなよう。やっと到着したスルタン後一行が中庭に招き入れられ、市長が歓迎の挨拶を。それから招待客200人近くを招いての一大昼食会。オフィシャル席には市長夫妻とサルタンはじめジュール・ベルヌの世界の人々が! うーん、アーティストというよりはもはや得体の知れない怪しい一団と昼食をともにする市長・・・シュールな絵です。↓とにかくあのジャン・マルク・エーロー市長を拝みそびれた日本の皆様へ。本人です。(←元気そうじゃ~ない??)
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土曜日の昼らしくまったり3時過ぎまで昼食を堪能、それから一団はまた昼寝をする巨人ちゃんとエレファントのもとへ帰っていきました。そして筆者も人ごみに押しつぶされながらなんとかホテル・駅まで戻り、岐路に着きました。

パリに戻ったその足で、日本文化会館でグラインダーマンの公演へ。イスラエルやドイツを回って最終地パリに辿り着いた彼らのパフォーマンス、今まで何度か観た中で一番素直に楽しめた。ツアーの最後っていいなあ。パリの人々も大喜び。お疲れ様でした~
by smacks | 2005-05-21 23:21 | ■仏・ナント市関連

ナント見聞録 その1

5月20日
アンジェ―ナント間はローカル電車で30分。駅でボナンさんのアシスタントであるジルベルトさんがお迎えに来てくださる。彼女とは例のナント御一行来日騒動で毎日山のようなメールのやりとりをしていたので、実際に会えてお互い感無量。
本人は軽いバカンス気分でナントに遊びに来たつもりだったのだが、ボナンさんの策略か、到着するなり山のようなミーティングが待ち構えていた! 立て続けにナントをベースに活動する振付家3人に会ってプレゼンをきく。ナント市側が支援しているアーティストたちなのだ。
ちなみにミーティングはナント市文化局のオフィスで行われたのだが、このオフィスが、「オフィス」と呼ぶにはあまりにも素敵でした。市の心臓部にある大聖堂の敷地内にある中世の館を改装してオフィス使用しているのだ。↓地震のない国はいいなあ・・・
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それからCCNN(Centre Choregraphique National de Nante)へ。ここも教会を改装して劇場とリハーサル室、オフィスを備えたダンスセンターに生まれ変わっている場所。こんなところで踊れて幸せな人たちだ。ここのディレクションはClaude Brumachon とBenjamin Lamarche。筆者のために、わざわざ新旧3つの作品の抜粋をやってくれる。とにかく肉体系。まるでミケランジェロやロダンの彫刻が踊っているような、3次元のボリューム感にうっとり。と思いきや、次の新作はミケランジェロがテーマなのだそうだ。コンテンポラリーダンスのファッションに惑わされず、ひたすらゴーマイウェイなダンスを追及している彼らの仕事はとても美しい。美術館とかで公演したらとても良いだろう。
市の中心部に戻ると、そこは人の山!うへー、いったいどこからこんなに老若男女わいてきたの? 日本にたとえるなら、明治神宮の初詣(行ったことないけど)とか、運転が止まったときのJR新宿駅とか。。。そこへ!Petite Geante (小さな巨人ちゃん)が歩いてくる! 
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反対側からは巨大なエレファントが!あまりの迫力、あまりの精巧さ、あまりの異次元世界に、心臓がばくばくしてしまった! やばいです。これはほんとうに凄いです。
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これがナントの名物カンパニー、ロワイヤル・ド・リュックスの一大パフォーマンスなのだ。今年はジュール・ベルヌ死後100年ということで、ジュール・ベルヌの世界を本気で視覚化、というか現物化。「時空を超えてインドのサルタンが象にのってやってくる」というコンセプトで、ナント市とアミアン市が共同製作した新作である。それぞれの市が新作の制作に分担金として30万ユーロづつ(5000万円程度)を出し合い、さらに今後ロンドン、ビルバオ、アントワープ、カレーといった都市への巡回公演が決まっている。
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公演といっても、3日間、徹夜でパフォーマンスは続く。真夜中、象や巨人ちゃんは寝ているのでちゃんと寝息をたてたり、あくびをしたり。朝にむくむくおきだして街中を散歩すると、鼻から水を噴出したり! 市民たちには公演の日にちと象の寝場所くらいしか知らされていないのだが、人々は象の後をついてぞろぞろと町中を歩き回る。朝も、昼も、夜も、夜中も、人でいっぱい!
夜、ボナンさんや、スペインからのお客様(マドリッド市の職員や劇場の関係者)とともに、Lieu Unique へ夕食に。Lieu Unique、「唯一の場所」。かつてLU というビスケット工場を改装したアートセンターで、演劇、ダンス、パフォーマンス、音楽、美術といったプログラムを通年山ほど提供する一方、ブティックやレストラン、バーなども充実。市民、とくに若い世代やアーティストが集まる場所となった。2000年1月1日にオープンし、工場や倉庫を改装した文化施設(フランスではFriche Industrielle という)の先駆け的存在となった。
レストランの料理は、これが感動的に美味しかった。12ユーロ~22ユーロで、前菜、主菜、フロマージュ、デザートまで選べるのだが、筆者が注文した帆立貝と温野菜のカルパッチョ、マグレ・ド・カナールは、絶品!昼も夜も予約しないと入れないほどの人気レストランだそうだ。
それからまた街中まで戻り、今回のロワイヤル・ド・リュックスの新作にちなんで、世界的にも有名な現代美術作家Perrick Sourrin (実はナント出身、ナント在住ということで驚き!)が創作した映像作品のプロジェクションに赴く。教会の前に大スクリーンが設置され、そこで人々は映像に見入る。Perrick のビデオ作品特有の本人が演じる多様な登場人物たちとスパイシーなユーモアがきいていて、また別のビジョンを与えている。そこへ作家本人が登場し、ああ本当にこの作家はナント在住なんだなあと実感。何気なくアーティストがうじゃうじゃいる街なのだ。
真夜中すぎ、公園ですやすやと寝息をたてる巨大エレファントにおやすみを告げて皆で岐路につく途中、教会の前にこんなものを発見! ↓
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なんと空から落下してきたロケット弾!やりたい放題だぞ、ロワイヤル・ド・リュックス! 煙まで出てる~~と心奪われたそのとき!左足のうらに、ふにゃりと柔らかい弾力が・・・!!!!ぎょえ~とうとうやってしまった、、、イヌのう○こを思いっきり踏んでしまった!!!しかも巨大&できたてほやほやの。。。。うげええええ・・・悲劇。ここはフランスであることを不覚にも忘れていた。モーレツに落ち込んでいたら一緒にいたフランス人のプロデューサのおじさんが、「それは、幸運を運んで来るんだよ」とやさしく慰めてくれたが、そんなこと信じられるかい!はああ・・・・こればかりは体験したことがある人でなければ分るまい、このなんともいえない悔しさを...
by smacks | 2005-05-20 22:17 | ■仏・ナント市関連

「Heroes」世界初演 CNDC@Angers

5月19日
パリのモンパルナス駅から1時間半、アンジェ市にやってくる。本当はナントに直接いくつもりだったのだが、今日はアンジェのCNDC(Centre National de la Danse Contemporain d'Angers)でEmmanuelle Huymh の新作世界初演ということで、ナント市のはからいで急遽お邪魔することに。
アンジェには初めて来た。その名前が筆者の勤務先ANJ(アンジェイ)とよく似ているので、いつも気になっているフランスの地方都市だったのだが、聞いていたとおりザ・ブルジョワの街、だった。フランスの地方都市なら20近くは訪れたことがあると思うのだが、そのどれに比べても小奇麗で美的に落ち着いていて、よどんだ怪しいストリートがない。道行く人々もとっても豊かそう。
公演までにちょっと時間があったので市立美術館へ。人口20万にも満たない地方都市ながら中世から近代にかけてのなかなか見ごたえのあるコレクションを持っている。2000年に改装オープンした美術館で、展示方法がすっきり綺麗。アンジェ市の歴史をフォーカスしたコーナーでは対戦中に焼土と化したアンジェ市の映像を見た。ドイツ軍の爆撃でぼこぼこにやられてしまったのだが、街の基本構造を変えずに復興した現在の町並みはお見事。日本人が想像する「いかにもフランス」的な町並みがそこにはある。中世のお城、フランス式庭園、オペラ劇場に子犬を連れたマダム、お洒落なカフェ。ぜひ、ザ・美しいフランスをご覧になりたいかたはこの町を訪れて頂きたい。
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街の中心にあるGrand Theatre その名も大劇場で、エマニュエル・ユインの新作「Heros」を観る。劇場はまさに昔ながらのオペラ劇場という趣で、照明はシャンデアリア、天井はドーム型に天使の絵。さて、作品は・・・真っ白いスモークの中、大音量のロックにのって客席ギリギリまで走り近づくダンサーたち。衝撃的な始まり方で、セノグラフィーがむちゃむちゃかっこよい。舞台美術は日本のアーカスでもレジデンス経験のあるアーティストNicolas Floc'h. ニコラ・フロック。
しかし、これらのダンスに付属する音楽やセノグラフィー、テキストに比べ、ダンスそのものが弱いというか。もはやダンスという呼び方をしなくても成立するよなこれ、という感じ。恐らくヌーベルダンスが去った現在のフランスで、ダンスが何を語るべきか、その模索の苦しい過程を観ているような。ともあれこれだけの新作を地方都市のダンスセンターが生み出すのは簡単なことではない。公演後の乾杯に参加。退出時間が気になる劇場ではなく、近くのCNDCのリハーサルルームに別の会場をセッティングしているほどのホスピタリティ。CNDCの芸術監督であるエマニュエル、副ディレクター、プロダクション・チーフなどと気軽に出会い、話せるのが嬉しい雰囲気だなあと思ったら、皆さんほとんど30代のチームなのでした。最高権力者であるエマニュエルだって40そこそこなのだし。また、公演で筆者の隣の席に座っていた老婦人がエマニュエルのママンということを知りびつくり!なぜかママンと仲良くなり、エマニュエルの幼少期と家族環境について詳しく知ることに・・・不思議な夜でした。
by smacks | 2005-05-19 22:08 | ■フランス滞在&もろもろ


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