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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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カテゴリ:■TIF06-イスラエル( 21 )

10月25日:フォーギブネス@東京国際映画祭

「フォーギブネス」
ウディ・アローニ監督

イタイ・ティラン主演
<東京国際映画祭@Bunkamura オーチャードホール>

「パレスチナ人に対するユダヤ系イスラエル人からの、いまだかつてない懺悔のブラック・コメディ。ニューヨークで活躍するモダンアートの鬼才ウディ・アローニの長編デビュー作である。
イスラエルのサナトリウム。ここは1948年にイスラエル兵たちがパレスチナ人の村を滅ぼし100人のパレスチナ人が埋められた場所である。そこへニューヨークからきた愛国的ユダヤ青年が入院。パレスチナ人の少女が幽霊となって頻繁に現れ彼を苦しめるが、長期患者たちや湯例になれっこだ。やがて回復した青年はニューヨークに戻るが、少女の幽霊は再び彼の前に現れる。超ユニークな傑作。(パンフより抜粋)」

夢と現実が時間軸を逆行しながら交錯する。監督がトークで「無意識を扱う新しい形式を模索した」といっていたが、その試みはとても成功している。

もはや決して単純化することのできない歴史という現実を、「生まれながらの被害者であると同時に生まれながらの加害者」として引き受けざる得ないユダヤの若者の苦悩が、決して単純化されることなく、常に複数の交錯する物語として提示される。複数の「父親」、複数の「結末」、複数の「起こりえること」。

「政治的なことをリアルに描こうとすればするほど、現実から離れていく」と語るアローニ監督が選んだのは、すべてが夢とも現実ともいえるシュールにしてリアルな映像だった。それは美しくもあり、(おそらくイスラエル人、パレスチナ人、そして彼らと心情を共有してきた人々の)トラウマを強く喚起させるものでもあった。ホロコーストを生きのびてしまったユダヤ人のトラウマ、パレスチナ人を撃ってしまったイスラエル兵のトラウマ・・・それらはもちろんイスラエル側からの視点に基づいて描かれているが、そうとしか描くことができないジレンマの中で、それを勇気を持って描ききった監督の力作は、なんとどこよりも先に、西岸ラマラでワールド・プレミアされたということだ。それも、イスラエルがレバノンを攻撃していた、この夏に。またイスラエル国内でも、賛否両論、物議をかもす超問題作として世間を騒がせているらしい。

主演のイタイ・ティランは、テルアビブのカメリ劇場の看板俳優で、去年テルアビブで観た「ハムレット」の主演としても記憶に新しい。狂気がかったアンニュイ系ナイスガイを好演。

また、イスラエルのクラブで若者が現実逃避のため踊り狂うシーンやアラブ音楽にあわせて兵士が踊るシーンなどの振付は、あのバットシェバ舞踊団のオハッド・ナハリンが担当。

終演後のトークも、非常に素晴らしい内容だった。「フォーギブネス」=許すこと。それは同時に、「アンフォーギブネス」=許されざるものの存在も意味するのだ、と監督は言った。どうしようもない圧倒的な事実の前に、人類は許すこと以外に何ができるだろうか? と問いかけるアローニ監督の声は、人生をかけて仕事をしているアーティストの確信に満ち溢れていて、とても感動的だった。

久しぶりに、心から励まされる作品を観た。アーティストの声に、耳と閉ざしてはいけない。この映画を勧めてくれたあの方に、心から感謝を。
by smacks | 2006-10-26 01:48 | ■TIF06-イスラエル

【告知】ヤスミン・ゴデール新作世界初演 in ベルリン

前回の東京国際芸術祭2006で日本初来日公演を行ったイスラエルの振付家ヤスミン・ゴデールからメールが来た。現在、ベルリンのヘッベルシアター(HAU)での新作づくりに取り組んでいるとのことで、その世界初演が、11月9日~11日。この期間にベルリンにいらっしゃる方はぜひ。

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by smacks | 2006-10-08 01:55 | ■TIF06-イスラエル

このブログ空白を埋める①:2月26日→3月4日(イスラエル)

今更、という気もしますが、2006年2月末→3月末まで、ほぼ丸ごと一ヶ月ブログを更新する時間さえなかった空白の1ヶ月を、写真と一言で勝手に振り返っておきます。

まずはヤスミン・ゴデール「ストロベリークリームと火薬」編:2月26日→3月4日

2月26日。
現場仕込み開始。
カンパニー成田到着・・・のはずが、あまり笑えないトラブルのため、出口を出てきてくれたのは23時を過ぎてから。いろいろヒヤヒヤな日々の幕開け。
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2月27日
現場仕込み2日目。現場はそれなりに順調。かつ、YAMPスタッフの対応にますます助けられる。カンパニーは照明家をのぞき、皆トウキョウ観光を楽しんでいた。
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2月28日
現場仕込み3日目+ゲネプロ。
初日に向けて、もろもろの手配に忙殺される。舞台ができた。
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(c)松嶋浩平

3月1日
初日の幕があいた。満員御礼。泣いている多くの観客に泣けた。1年間仕込んできて一番嬉しい瞬間。
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(c)松嶋浩平
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3月2日
公演2日目。当日券の長い列に感動。
トークもなかなかに評判が良く安心。ヤスミンとイツィクの明晰で真摯な回答に感謝。

3月3日
公演3日目。トークのゲスト、現代美術家の高嶺氏のお陰で、客席が足りなくなり、急遽、一列追加して対応する。嬉しい悲鳴。トークではアーティストとアーティストの対話の難しさを知り、勉強になった。朝まで皆で宴会。

3月4日
公演4日目=もう最終日。満席で楽日となる。
トークではいつもの2人に加え、ダンサーのイリスや音楽家のアヴィにも登場してもらい、作品創作のプロセスについてさらに深いトークになったと思う。観客の方々からの質問も良かった。終わればあっという間のバラシ。そしてTIF恒例、Camo-Cafe Israel Night. DJのアルカディ君。・・・踊り狂うダンサー+スタッフたち。。
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盛り上がる人々を尻目に、夜23時、1人羽田空港へスレイマン・チームの先乗り部隊3名を迎えに・・・
by smacks | 2006-04-23 23:35 | ■TIF06-イスラエル

2月28日:うれしい悲鳴

明日から始まる「ストロベリークリームと火薬」公演、予約が完売、当日券のみ扱いという嬉しい悲鳴状態。中東シリーズをはじめて以来、動員に苦しめられ続けた身としては、かなり嬉しいです。
by smacks | 2006-02-28 23:47 | ■TIF06-イスラエル

2月26日:想定の範囲内のトラブル

現場の仕込みが本格化し、また青森県立美術館のダンス・コンペの取材で、なんと青森から複数のTVクルーが駆けつけ、笠井瑞丈さんとジャッキー・ジョブさんの取材に、一日バタバタ。

さらに今日からアーティストが来日。第一陣、イスラエルのヤスミン・ゴデール率いる13名が到着する。。。

はずだったが、早速、「想定の範囲内」のトラブルが発生し、彼らをホテルにチェックインさせてのは、すでに日付が変わってからだった。やれやれ。
by smacks | 2006-02-26 23:35 | ■TIF06-イスラエル

ヤスミン通信 from Daniel

去年のYAMP(ユース・サポートスタッフ)、チュニジア班で大活躍してくれた、ダニエルこと中山大輔君。日本最高学府に席を置きながら、ストラスブール大学で学ぶダニエル君が、先日パリのCND(Centre National de la Dance)でヤスミン・ゴデール振付の「ストロベリークリームと火薬」を観劇した感想をブログにアップしてくれました。

France Note  by Daniel

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パリでも超満員だった話題作、ぜひお運びください。
by smacks | 2006-02-16 02:57 | ■TIF06-イスラエル

公演迫る!『ストロベリークリームと火薬』

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ヤスミン・ゴデール振付『ストロベリークリームと火薬』、初来日公演まであと2週間と迫まってきた。

今日は、イスラエルから、パリの国立ダンスセンターとリヨンのメゾン・ド・ラ・ダンスを経由してきた舞台装置がにしすがも創造舎特設劇場に到着! 舞台装置の中身は、不気味な遮断機。。

東京国際芸術祭2006のページから、カード決済によるチケット予約ができます。とても話題の公演ですので、ぜひ早めのご予約をお勧めします! 特に、美術家・高嶺格さんがゲストのトークがある3月3日は、チケットの売り上げも好調。イスラエルに長期のレジデンス経験があり、バットシェバ舞踊団の美術を担当したこともある高嶺さん×ヤスミンの対話をお聞きになりたい方はぜひ、お早めのご予約を。
by smacks | 2006-02-15 21:10 | ■TIF06-イスラエル

ハマス勝利

ハマスが勝ってしまった。 →Yahoo 中東情勢

一昨年パレスチナ出張直後アラファトが死に、昨年末イスラエル出張直後、シャロンが倒れた。いつも、何かが前進すると、必ずゆり戻しが起こる。

ラマラやエルサレムが心配だ。
by smacks | 2006-01-26 01:15 | ■TIF06-イスラエル

dance dance dance

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今日発売のDDDことダンス・ダンス・ダンスVol.4。独占インタビューを含むヤスミン・ゴデール特集ページ全10ページ!掲載されました。 先日イスラエルで仕組んだインタビュー(聞き手:乗越氏)、そのレジュメと、これまでの作品も含む豊富なビジュアル、イスラエルの現代カルチャー紹介(拙稿)など、ヤスミン・ゴデールに関するイントロダクションとなっているのでぜひご覧下さい。

それにしても、これから2~3月にかけて、ダンス界は凄いことに。プレルジョカージュ、フォーサイス、トリシャ・ブラウン、リヨン国立バレー団、ナチョ・デュアト・・・・年度末に大型招聘公演が乱立。助成金の関係で年度末に招聘公演が集中するのは、企画側の見地からは仕方ない事情を百も承知しつつ、一観客の立場に立つと、金と時間がいくらあっても足りない、究極のフラストレーション状態に・・・・というか、企画者でもあり観客でもある筆者は、自分の現場と完全にだぶっているこれらの公演を観ることができない。哀しい。そして、同業者間でひたすら数少ないダンスの観客を奪い合うのは、もっと切ない。
by smacks | 2006-01-25 00:47 | ■TIF06-イスラエル

入国管理局の季節

今年もやってきたVISA申請の季節。イスラエル人13名分のVISA申請書類を抱えて、品川の入国管理局へ。

いつもここに来ると悲惨な気分になるのだが、なぜか今日は天気もよく、一秒も待たずに順番がまわってくるという幸運に恵まれる。普段は1~2時間待ちは当然なのに。なんだか拍子抜け。

いずれにしてもここにくると、TIFもいよいよだなあと思う、というか焦る・・・ああカウントダウンが聞こえる。
by smacks | 2006-01-24 00:36 | ■TIF06-イスラエル


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