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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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2006年 12月 25日 ( 1 )

【報告】12月18日:急な坂のカフェ

怒涛のような1週間を経て、やっと一息。忘れぬうちに簡単な報告を。

急な坂スタジオ マンスリー・アートカフェ Vol.1
「チェルフィッチュの世界的超感染力」

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こちらが急な坂からのレポート
こちらがワンダーランドに出たレポート記事

フェスティバルのポリシー、フェスティバルとアーティストの関係、言語の翻訳の問題/可能性、同時代の身体/ことば、など。いろいろなことを考える、とても刺激的なカフェになったと思う。

「アーティストのためのフェスティバル」というコンセプトを踏襲したクリストフ率いる新生クンステン。アーティスト同士の対話やアーティストがキュレーションする企画も随所に散りばめ、強度のダイアローグの磁場となるだろう。もちろんそれは観客を排除するということを意味しない。観客は、ある一人のアーティストを、ある一人の人間として、作り手として受け入れ、興味を持ち、継続的にその作品と対峙する。
バジェットは3億円程度と、アヴィニョンなど大規模なフェスティバルに比べれば実に少ないが、その少ない予算をうまくやりくりして、あれだけのプログラムが組めるのだから、奇跡的とも言える。また、限られた予算の中で、フェスティバルとしてのポリシーやコンセプトを明快な形にする、極めて戦略的な広報展開もすばらしい。

当然、同業者としてはうらやましい。もちろん、世界中の同業者がクリストフに同じことを言うだろう。しかし、それを実現するような秘訣はおそらくなく、試行錯誤による刷新と継続によってしか実現しない、淡々とした、しかし戦略的なアプローチが10年継続して初めてこういう形ができあがるのだと思う。

一方岡田さんは、「あくまでドメスティックなコンテクストにおける、あくまでローカルな問題意識」をこれからも淡々と作品にしていくという。こういった発言を聞くと非常にうれしいし、そういった自らの生きる世界にしっかりと根を下ろした表現であれば、受け手であるヨーロッパの人々も「エキゾチシズム」に陥らずに、チェルフィッチュの特異性を彼らなりに消化することだろう。

思い返せば2003年3月ベルギーで出会ったクリストフ。そのとき初めて紹介してもらったレバノンのアーティストのラビア・ムルエと、いまはどっぷり国際共同製作のパートナーとなり、またそのころ「三月の5日間」を書いていた岡田さんは、3年後に我々の急な坂スタジオのレジデント・アーティストとなり、来春同作品をクリストフのクンステン・フェスティバルで初公演をする。そんな人々が一同に介した、という感慨深い状況もあり。

何か、世界の同時代性のようなものに、強くリンクする感覚を持った。

カフェはこれからも毎月1回のペースで継続する。特に、その企画を立ち上げた人間がホストスピーカーを努めることで、企画サイドの思考力もトレーニングしていきたいと考えている。
by smacks | 2006-12-25 20:44 | ■横浜【急な坂スタジオ】


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