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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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2005年 11月 18日 ( 1 )

Who's afraid of censorship ? 検閲、ベイルート

昨夜の打ち上げに遅くまで残りすぎ、猛烈に疲労・・・さすがに連日の疲れがたまってしばしホテルでぐったりと。
午後からZico House をたずねる。ベイルートの中心部にあるアーティスト・イン・レジデンス&ギャラリースペースで、Zico=ムスタファさんというベイルート・アートシーンの影の立役者の所有するメゾンである。今はレバノンのアーティストのインスタレーションを展示中。トイレにも。↓
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再びHome WorksIIIの上映やシンポジウムのため劇場に戻ると、ラビアに会う。なにか顔が深刻。昨日の公演が検閲にひっかかり、来週月曜日に公演する予定の2回目の公演が中止されるかも知れないという。話によると、昨日の公演の観客にまぎれて検閲局の担当者が会場に潜入、テキストの卑猥で下品な表現、政治的なコノテーションなどをチェック、朝一番で電話による通達に及んだという。レバノン政府には検閲局というものがあり、作品の内容そのもの、芸術性うんぬんではなく、表面的なレベルで卑猥な表現や政治的に過激な内容を検閲している。
これまでもビオハラフィアなど、かなりスレスレの作品をベイルートで上演してきたラビアだが、今回のように検閲局から直接ストップがかかるのは初めてで、かなり当惑気味。しかし今日は金曜日。明日、明後日と週末なので何もできない。今すぐZico House に行って、テキストをプリント・アウトして郵送で提出することに。その際ひそかに自己検閲をかけているあたりが、なんとも涙ぐましい。しかし公にはテキストを変更・削除するつもりはもちろん一切ない。とにかくテキストを提出し、月曜日朝一番で検閲局へ劇場の責任者、フェスティバルの責任者、そしてラビア本人が出向き、ヒアリングが行われることに。検閲局の禁止を押し切って上演すれば、客席にいる検査官が公演そのものを力づくでも中止することができるという。しかしそんなことをすれば、レバノン国内はもとより、世界中から集まっている芸術文化関係者を前にレバノン国家の民主主義が疑われる。
英語字幕を追う限り、それほど過激な印象は受けなかったが、アラビア語を直接解する人は総じて、「いや、スレスレだった」という反応。やはりローカルなコンテクスト、ローカルの言語の中で発せられる言葉というのは、強烈なのだ。
それにしても、なんだか凄いことになってきた。。。このニュースは瞬く間にべイルートのアートコミュニティを駆け巡り、話題騒然となっている。「とにかく当日劇場に集まって、抗議活動を!」と呼びかける関係者も続出。(しかし強行に公演してラビアが刑務所にでも行ったら、筆者はとても悲しいし困ります)
・・・・期せずして、レバノン芸術史における伝説的な公演に居合わせてしまったようだ。
by smacks | 2005-11-18 00:24 | ■TIF07-レバノン


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