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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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アラファトの実質的死、パンドラの箱

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パレスチナ民族闘争のイコンとしてアラファトの肖像は遍在している。ご覧のとおり壁の上にも、そしてパレスチナ人の心のど真ん中にも。

しかし現実のアラファトの容態は、もはや「植物状態」であり生命維持装置によって延命を試みている状態にある。
夕べの時点ではメディアは混乱し、パリ・ペルシー病院は「意識を失い復活はない」と発表したが、PLO側近は「深刻な状態だが安定している」と危篤説を否定。
しかし目覚めてすぐチェックした情報では、もはやアラファトは実質的に死んでいる状態にあることが明らかとなった。何しろパリでは急速な回復を遂げ、ブッシュ再選の直後にはブッシュに祝辞を送り自分の足で立って歩いていたという報道もあっただけに、この数時間の急変は個人的には信じがたいし、また信じたくないという感傷的な気持ちが大きい。

この「死んでいるけれど生きている」状態を、誰が、どれだけ続けるのか? 延命は物理的に可能であり、それをするだけの理由も十分にある。ブッシュ再選とアラファトの不在によって自暴自棄になることが必死な過激派の暴走を遅らせること。アラファトの復活-それはあたかもクリスチャンがイエスの復活を信じているように-を信じ続ける多くのパレスチナ人やアラブ人の最後の精神的防波堤として、延命措置を続けることの意味は大きい。せいぜいその間に新しい体制作りやら葬式の段取りが整えられるまで、延命措置は続けられるだろう。私の周りのパレスチナ人が、必ずしもアラファトの政治を肯定していないにも関わらず「アラファトは不死身だ」と断言したことがあまりにも印象深い。

アラファトの生命維持が終わったとき、中東のパンドラの箱は開けられることになるだろう。パリから戻るアラファトの遺体をどこに埋葬するか? という問題ひとつをとっても、イスラエルはエルサレムの神殿の丘にアラファトの遺体埋葬を拒否している。それはパレスチナ人、世界のムスリムの逆鱗に触れることになるだろう。世界各地でテロが頻発し、それを口実にイスラエル・アメリカはまた多くの民間人の生命と自由を奪っていくだろう。単純化され、リピートされるいつもの構造がより感傷的に振幅するだけだ。

ブッシュの再選とアラファトの実質的死。ほぼ同時に起こったこの二つの出来事を私は非常に重く受け止めているのだが、その切迫感、悲壮感を共有しつつ有益な情報を伝えるメディアが日本にはひとつもないこともまた腹立たしい。

明日はにしすがもでCamo-Cafe Vol.1 「自己責任でパレスチナに行こう!」を企画している。この企画の意味が、企画した10日前よりもさらに重くなったことに企画者本人が襟を正している状態なのでした・・・
by smacks | 2004-11-05 07:39 | ■TIF05-パレスチナ
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