2007年 04月 06日
【必見】ロラン・グットマン/平田オリザ「別れの唄」
本日、日本公演の初日だった、
青年団国際演劇交流プロジェクト2007 [ 日仏合同公演 ]
『別れの唄』
作:平田オリザ 翻訳:ユタカ・マキノ
演出・美術:ロラン・グットマン
が、非常に良い出来だった。フランス人と日本人俳優のキャスティングを前提として平田オリザ新作戯曲を書き下ろし、丹念に対話と稽古を重ねた作品は、最近のフランス演劇にあまり希望的観測をもっていなかった筆者のストライク・ゾーンにどかーんとはいった感あり。オリザ戯曲が現代のレパートリーになりつつあるフランスで、どれも奇をてらいすぎて戯曲の本質を消し去りかねない過剰演出にあまり好意的ではなかったのだが、今回のロラン・グッドマンの演出は、オリザ・ワールドの醍醐味をうまく引き立たせているのみならず、文化的差異が「葬式」というシリアスなシチュエーションで生みだす究極の笑いをうまく身体・空間レベルにまで落とし込んでいて、圧巻だった。
とにかく段取り重視の葬式とか結婚式でつい笑ってしまい人々の顰蹙を買いがちな筆者にとって、また日常的に日仏の文化的差異の間を往復している筆者にとっては、極私的にもストライクゾーンだったんだと思う。
打ち上げでオリザさんが「ここにたどり着くまで10年かかった」と仰っていたが・・・やはり体をはって、時間をかけて探ってきた創造は、ある時点でどこかに着地するということを証明するような作品でもあった。
日曜日まで。お急ぎ下さい。
by smacks
| 2007-04-06 03:02
| ■演劇・ダンス系