12月11日:フェリス女学院

フランス時代以来の腐れ縁?flowのセトウ氏からのお誘いで、フェリス女学院音楽学部のアートマネジメント学科の授業で話すことに。女子校文化にまったくなじみがないため、最初は一瞬動揺したものの、素直でまじめな学生さんたちのひたむきな感じには、好感を覚える。

アートにまつわるさまざまなタテマエを取り払って、現場の人間の考えていることを聞こう、という趣旨の授業、ということで、これまで大学の芸術実演家教育の中で隠蔽されてきた「アートで食べる」ことにまつわるもろもろの問題を提起する。何人かの心にヒットしたなら、それは幸いだ。

中東の話などは彼女らにとってのリアリティに欠けてしまっただろうか。「まったく自分に接点のないことにも興味を持つ」「持たせる」ことは難しい。自分と接点のない問題でも、自分の地平に問題を設定しなおして考えられる力。それを題材に自分自身とのダイアローグを展開できる力こそが必要で、そういった力を養うのもまたアートの役割だと思う。劇場にこそ、現場にこそ、そのヒントはあるのだが、そこに来てもらうまでの道のりは長い。

とはいえ、ほとんど意味不明だった自分の学生時代を鑑みると、今の学生さんたちはちゃんとしているなあと本当に思います。ぜひ、今度は現場で会いたいものです。
by smacks | 2006-12-11 01:13 | ■アートマネジメント関連