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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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8月11日:ステージクラフト-舞台技術ワークショップの4日間

この4日間、密かに(?)、財団法人地域創造とさいたま芸術劇場が主催する「ステージ・クラフト」という舞台技術のワークショップに参加させていただいていた。これが、ほんとうに素晴らしい研修だった。そもそも今の仕事を始めてからというもの、制作系の仕事は見よう見まねでやってくるしかなかったし、舞台技術系のことに関しても、ほとんど何の知識もないところから、舞台監督さんに怒鳴られながらも覚えてきたことだったので、体系だった知識もなく、またそれをいちいち殺気だった現場で質問したら技術スタッフに怒鳴なれる(あるいは失笑される)のが怖くて、聞けずにいたことがたくさんあった。それを、今回の研修では照明・音響・舞台と、各セクションごとに知識+実習+実際の舞台作品のオペレーション、というところまでやらせてもらった。今の仕事を始めてから、一番、「勉強」になったというか、「教えてもらえた」4日間だった、といっても過言ではない。

地域創造の段取りの完璧さにも驚き、さいたま芸術劇場の技術スタッフの先生方のプロ根性と技術の高さ、教育熱心さにも驚いた。平台の組み立て方から、客席の作り方、照明機材のつりこみ、フォーカス、サウンド・チェック、実際のオペレーション・・・実際、自分の現場では絶対に触らせてもらえない部分を、自分がやってみる立場になって分かったことが、あまりにも多く。

そして、何より今回すごかったのは、実際の舞台づくりをやらせていただける「素材」、つまり実際の実習で扱う作品が、あの蜷川幸雄がつくった高齢者劇団、「ゴールドシアター」の中間発表会のために発表された「プロセス~途上」という作品であったこと。ゴールドシアターの団員は47名。55歳から80歳まで。5月に1000名以上の応募者からオーディションで選ばれた47名の方々が、たった2ヶ月ちょっとの稽古期間でつくった作品は、すでに7月末に上演されたのだが、それを今回、ステージクラフトの受講生によるオペレーションで、再び上演することになった。
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この舞台が、すごかった。まず、47名の高齢者を舞台上にみること自体がすごい。舞台上には47個の水槽。そこに、一人ひとりが入るところから舞台は始まる。彼らはプロの役者ではないが、それぞれの生きてきた年月が舞台の上で圧倒的な存在感を放っていて、また、シェークスピアやチェーホフを抜粋し組み合わせた戯曲の一つ一つの台詞が、人生の時間の重みによって、ものすごいリアリティを放って迫ってくるのだった。舞台美術も、照明デザインも、とても美しく洗練されていながら、演出意図がはっきりと見えて、とても良かった。筆者はとくに蜷川ファンではないのだが、今回の「ゴールドシアター」に関しては、非常に良い刺激になった。先生方、キャストの皆さん、スタッフの皆さん、そして研修を一緒に受けてくれた参加者の皆さんに、深く感謝。

この「ステージクラフト」は、すでに10年以上の歴史があるプログラムなのだそうだ。その年によって扱う作品が違うけれど、ぜひ公立文化施設にお勤めの方にはご参加を強くお勧めしたい。詳しくは地域創造のHPでどうぞ。
by smacks | 2006-08-11 23:50 | ■アートマネジメント関連
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