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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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アヴィニョン演劇祭レポート① - 7月14日

お待たせしました。今日から、レバノン情勢と平行して、アヴィニョン演劇祭のレポートも、少しづつ、日を追って掲載していきます。まずは到着した初日から。
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朝7時20分のTGVにのり、アヴィニオンへ。プロバンスの日差しは、昨年にもまして強烈。今年は猛暑らしい。焦げる。

市内に借りたアパートの大家さんに部屋を渡してもらったり、フェスティバル・オフィスでチケットの引き換えをしたり、到着初日のあれこれをしている間に、すでに3人もの知り合い(海外の同業者、大学院時代の友人など)に道でばったり会う。恐るべし狭さアヴィニオン。

■シュテファン・ケーギ(スイス) Mnemopark
 @ Salle benoit XII 15h00-

ここ2年くらいドイツ語圏の演劇に詳しい人々から噂を聞き続けてきたスイス人アーティスト、シュテファン・ケーギ率いるレミニ・プロコール。昨日のル・モンドの劇評でも大絶賛されていて、いやがおうでも期待高まる。彼の作品をはじめてフランス語字幕つきで(実際にはパフォーマンスの大部分がフランス語のナレーションに変更されていた)観れる絶好の機会到来ということで、今回のアヴィニオン訪問のメインの目的の一つにしていた。舞台に登場するのは、プロの役者どころか、演劇やアートとは一切関係のない、おじいちゃん、おばあちゃん。スイスという国・地域を舞台全体に出現させる装置として、ミニチュアのスイスのうえを、ミニチュアの線路が覆い、ミニチュアの列車が走る。実は、パフォーマーの方々はミニチュア作りのプロ。走り回る列車に取り付けられたカメラが風景を切り取り、そのリアルであると同時に虚構である映像が、パフォーマーたちの愉快な存在感や個人史によってさらにデフォルメされ、スイスという国の社会的・経済的・文化的・政治的・・・さまざまなドキュメンタリーとして立ち上がる。なるほど。↓はパフォーマンス終了後に舞台上のミニチュアを堪能する観客たち。
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■アルチュール・ノジシエル(フランス) Combat de Negre et de chiens
 @ Gymnase Aubanal 18h00-

ベルナール=マリー・コルテスの戯曲「黒人と犬の闘い」を、仏若手演出家アルチュール・ノジシエルが演出。ありえないほど暑い場内で、明らかに消防法無視して観客を入れすぎの客席から、このまったりとした舞台を2時間30分見るのは、体力的に非常につらかったが、10間以上あるに違いない広い間口の舞台空間を見事に使い切りった、シンプルだが奥深い演出はなかなかのものだった。アルチュール・ノジシエルが数ヶ月アメリカ・アトランタに滞在してアメリカの俳優たちとつくった舞台は、すでに4年の歳月が経っていることもあり、よい感じに熟成していたと思う。芝居の後本人と話したところ、アトランタでの反応は非常に微妙で、最初は白人ばかりの客席が、終盤には黒人ばかりになった、と言っていた。「悪いのは白人、黒人は犠牲者」という、それはそれで単純なシェーマから完全に逸脱した複雑なコルテスの戯曲を、今、アメリカやフランスで上演することの意味を、もっときちんと咀嚼できるように、事前に戯曲を読んでいけばよかったという後悔は後の祭り。(もっとも日本語には翻訳されていないらしい)


■ピーター・ブルック(フランス) Sizwe Banzi est mort  
 @Ecole de la Trillade 23h00-

23時からの芝居。しかも、アヴィニオン郊外の学校の中庭の野外ステージ。往復で2,1ユーロのFestibus (フェスティバル専用バス)にのって。当然、列をつくるとか、順番に待つという概念のないフランス。仕切りの悪さ、手際の悪さには辟易とするものの、それでもなぜか無事に芝居は始まってしまうところがフランス。もう慣れたけど。
御歳81歳のピーター・ブルックが、アヴィニオンで発表する4つ目の作品として選んだのは、70年代に南アフリカの白人+黒人の作家によって書かれた戯曲。当然、アパルトヘイトが背景にある。相変わらず何もない空間に粗末な小道具だけで、良く芝居が成り立っている。2人の黒人の役者は、なんかお笑い芸人みたいな胡散臭さがあり。
by smacks | 2006-07-25 23:36 | ■アヴィニオン05-06
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