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日々の仕事のこと、観劇・鑑賞記録、出張報告など、国内外の舞台芸術を中心としたアートおよびアートマネジメント全般がテーマです。
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7月2日:ヤン・ファーブル

ヤン・ファーブル「主役の男が女である時」@さいたま芸術劇場

「ベルギーの鬼才による至福の傑作、待望の上演」

というチラシの文句に期待を膨らませて楽しみにしていたのに、見事に裏切られたという人も、私の周りには多かった。

しかし。この作品は、当初、リスベット・グルェーズという、存在自体に両性具有性を秘めた、極めて特別な才能と技術をもったダンサーのために、また、このダンサーとともに、2004年に創られた作品なのだ。理由はよく分からないがダンサーが交代してしまった(オーディションで選ばれた韓国人ダンサー)今、作品のすべては、まったく違ったものになったとしかいいようがない。

というのも、実は筆者は、そのオリジナルの作品を、2004年春、パリ市立劇場のレ・アベス小劇場で観ている。そのときの感動は、今でも忘れることができない。「至福の傑作」という言葉が本当にふさわしい、えもいわれぬ観劇体験だった。またそれは、多くの人々が深く共有した感覚であって、実際、めったに再演しないパリ市立劇場が、2006年のプログラムに「傑作の再演!」と銘打って再演公演を行なったほどだ。

また、やはりパリの小劇場の凝縮した空間での観劇と、日本の大ホールで見る観劇体験は、同質のものではあり得ないだろう。批判ということではなくて、同じ作品を観劇をする、その同じ行為であっても、これだけ舞台と自分の位置関係で観劇体験の質が変わってしまうのだということを実感せざる得なかった。

自分の職業がいかに多くの要素に依存した「水商売か」を思い知っただけでも、行った価値はあった。また、言い訳は許されない商売としても、今回ばかりは、同業者である主催者の方々に対して深く同情してしまった。
by smacks | 2006-07-02 20:57 | ■演劇・ダンス系
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