クルト・ヨース振付「緑のテーブル―死の舞踏」

スターダンサーズ・バレエ団@ル・テアトル銀座。
前半は、振付家フェリックス・ルッカートが「日本におけるドイツ年特別企画」としてスターダンサーズに日本で振付けてつくった新作。つい先日ドイツ文化センターにお邪魔したときも稽古中だった、できたてほやほやの作品。客層の多くを占めると思われるスターダンサーズのダンサーたちの保護者やその親戚と思われる年配のご婦人たちが「いったいいつ終わるかとおもっちゃっわ~こういうの、ほんと訳わからなくて退屈ね~」と終演後に言った言葉につい同調してしまう。もうちょっと何とかならなかったのかなあ・・ ダンサーの問題を棚にあげても、今なぜこのような作品を日本のカンパニーに?という疑問が強く残ってしまう。 
後半はドイツバレエの巨匠、クルト・ヨース振付「緑のテーブル―死の舞踏」。1932年に創作されたバレエの歴史的作品。「1932年初演の「緑のテーブル」は「反戦」というテーマを簡明に、しかも見事な構成で表現し、平和会議には必ず使用される緑のテーブルを使った意表をつくおもしろさが加わり、強烈な感動を呼ぶ作品」。チラシの言葉どおり、バレエで表現され得る実に明快なストーリーが、2台のピアノが奏でる音楽に合わせてテンポよく展開していく。普段どうしてもいわゆるクラシックバレエにアレルギーを感じてしまう筆者にも、ここまで強い社会的メッセージ性とオリジナリティがあると、とても安心して観られたのでした。
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by smacks | 2005-07-02 23:48 | ■演劇・ダンス系