シンガポール出張:1日目

6月5日
目覚めたら、ランデブーホテル in シンガポール。このホテルの名称がANJ内部ではいろんな憶測を呼んだのですが、別にいかがわしいホテルではありません! それどころか、シンガポール・アーツフェスティバルが海外ゲストを迎える、交通至便のハイグレードなホテルなのです! 
昨夜深夜2時過ぎにシンガポールに到着。外はむわ~っと暑いけれど、建物の中は冷房のききすぎで冷蔵庫のようにひんやりするのがシンガポールの気候条件。その寒暖の差に耐えながら、3日間、会議、会議、また会議の日々となる。

今回の出張の目的は盛りだくさんなのだが、とりあえず今日はAAPAF(アジア舞台芸術祭連盟)の定例理事会がメインのお仕事。ちょうど去年の今頃、同じシンガポールの同じランデブー・ホテルで設立総会が開催され、筆者は去年もディレクター代理で出席していた。東アジア~東南アジアにおける舞台芸術のフェスティバル・サーキットをつくることが目的。具体的には共同コミッションや様々なユティリティの共有を目指している。まあ一言でフェスティバルといっても、TIFのようにバリバリのインディペンデントもあれば、香港やシンガポール、上海のように政府主導型・観光誘致方のフェスティバルもあるので、コラボレーションや共有が一朝一夕にできるとは誰も思っていないのだが、実際にはこのネットワークができたおかげで、例えばTIFが04年にプロデュースしたスレイマン・アルバッサーム・シアターカンパニーの「アル・ハムレット・サミット」は、04年10月のSPAF(ソウル舞台芸術祭)、そして今回のシンガポール・アーツフェスティバルへのツアーが実現したのである。将来的にはプロデュースの段階で、それぞれが資金や創作に必要な稽古場などを提供しあう、本来的なコ・プロデュースが実現することを目指している。東京国際芸術祭は、日本から唯一、APPAFに参加しているフェスティバルであり、よって昨年の設立総会時にはなかば強制的に理事フェスティバルとして選出された。
今日の理事会では、前回11月にソウルで行われた理事会の報告や会計報告、新規会員の紹介などが淡々と行われた。あのSI-DanceのJaniceや、ソウル芸術文化財団の担当者の方もいらしていて、半年前のソウルの悪夢が蘇ってきたが(11月26日~28日のブログ参照)・・・彼女たちも今ではすっかりお仲間。非常に打ち解けモードで会議は進められる。

イニシアティブをとるのはシンガポール・アートフェスティバルのディレクター、ゴー・チンリーさんと、副ディレクターのアイリャンさん。シンガポールのアーツフェスティバルは、NAC (Singapore National Arts Coucil)という情報省の一部として設置された国の機関が運営している。というか、この小さな国の主要な芸術機関はほとんどNACの運営下にある。フェスティバルのスタッフたちはNACの職員であり、国家公務員的な立場でこの仕事に関わっている。ちなみに私が個人的に聞いた話だけでも、その多くの方々は政財界トップの御子息・御令嬢だったりするらしい・・・

夜は皆でインドネシア料理を食してから観劇。会場のビクトリア劇場で、シンガポールの劇団 Toy Factory Theatre Ensemble の世界初演「Spirits」という作品を観る。が・・・京劇って苦手だなああ。いわんや京劇の現代版って、本当に苦手だ。ホールのアコースティックもひどくて、耳を押さえないと聴いていられないほどの音響だった。
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その後、明日から始まるアジア・ヨーロッパ舞台芸術コロキアムAsia Europe Contemporary Performing Arts Colloquium との合同レセプション。主催はIETM(Informal European Theatre Meeting) とAAPAFの共同主催である。ヨーロッパ最大の舞台芸術ネットワークIETMのサテライト・ミーティングも兼ね、アジアとヨーロッパを繋ぐ舞台芸術のダイアローグの場として今回アジアでは初めて開催されることとなったとあり、100名以上の関係者の参加が予定されている。
by smacks | 2005-06-05 23:34 | ■アジア出張